夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラスト・ナイツ』

2015年11月24日 | 映画(ら行)
『ラスト・ナイツ』(原題:Last Knights)
監督:紀里谷和明
出演:クライヴ・オーウェン,モーガン・フリーマン,クリフ・カーティス,
   アクセル・ヘニー,ペイマン・モアディ,伊原剛志,アン・ソンギ他

先週水曜日の仕事帰り、109シネマズ箕面にて2本。その1本目。

紀里谷和明といえば宇多田ヒカルの元旦那。代表作は『CASSHERN』(2004)。
何をトチ狂ってハリウッドへと思っていたら、いやはやお見それしました。

忠臣蔵をモチーフにしています。

封建的な某帝国。皇帝に仕える大臣ギザモットは実に欲深い。
しかし、彼に賄賂を贈らねば生きてはゆけず、誰もが媚びへつらっている。

実直な領主バルトーク卿はそんなならわしに嫌気が差し、
ギザモットへの賄賂をきっぱりと断る。
激怒したギザモットが皇帝に直訴、バルトークは皇帝から死罪を言い渡される。
そして、その首を斬り落とす役目を命じられたのが、バルトークの愛弟子ライデン。

敬愛する主君の首を斬る役目など引き受けたくない。
ライデンは必死に抵抗するが、バルトーク本人が迷わず斬れと言う。
騎士の掟は絶対的なもの。主君の命令には背けない。
ライデンは涙をこらえ、歯を食いしばってバルトークの首を落とす。

バルトークの処刑後、領地は没収されて騎士たちもバラバラに。
ライデンが復讐してくれるはずだと皆が信じていたのに、
彼はまるで覇気なく、酒と女に溺れている。

復讐を恐れていたギザモットは、彼に仕える剣士イトーにライデンを監視させる。
イトーは、死んだ目をしているライデンはもはや騎士ではないと判断。
その報告をうけたギザモットはようやく安堵するのだが……。

忠臣蔵でいうところの浅野内匠頭がバルトーク。
その家老である大石内蔵助がライデン。
吉良上野介がギザモットとなります。
世界史にも日本史にもさして興味を持たなかった私は、
忠臣蔵についても本作の鑑賞後に同僚から教えてもらった次第。(^^;

忠臣蔵を知らないからなのでしょうが、見事に騙されました。
たぶん「キャシャーンのキリヤン」でハードルが下がっていたからではなく、
そんなナメた態度で臨んでいなくても面白かったです。

モーガン・フリーマンがさすがのバルトーク役で作品の格を上げ、
ライデン役のクライヴ・オーウェンが静かで力強い演技。
人でなしのギザモットに忠実に仕えながら、
ライデンの気持ちをおそらくじゅうぶんに理解しているイトー役に伊原剛志
ロケ地のチェコの風景が荘厳さを醸し出していました。

ごめんよキリヤン。ナメていて。

ひとつ文句を言うならば、公式サイトは『ラストナイツ』、
さまざまなメディアでは『ラスト・ナイツ』。
『ハンガー・ゲーム』(2012)もそうだったけど、
同じ映画なのに中黒があったりなかったり。ものすごく気になるのよ。

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