徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

昨夜は秀作映画と秀作ドラマで・・・

2009-04-12 18:03:59 | 映画
 昨夜、フジTV系列で放送されたドラマ「駅路」は、松本清張原作で向田邦子脚本というふれこみに加え、「北の国から」の杉田成道の演出であり、キャストも役所広司、深津絵里、石坂浩二、十朱幸代、木村多江他と豪華だったので大いに期待した。まぁ、正直期待があまりにも大きすぎたかなという感もないわけではないが、十分楽しめるしっかりしたドラマであったことは間違いない。ただ、向田さんは昭和56年に飛行機事故で亡くなっているので、オリジナルの脚本からはだいぶ改変されているのではないかと思われる。時代背景も昭和天皇が崩御される昭和63年末から64年初にかけてになっているが、これは脚色をした杉田さんらが、平成になって20年以上を過ぎた今、物語の重要なファクターである戦後昭和を際立たせるため、あえて昭和の終りを背景としたのではないかと推察する。それにしてもヒロインの不幸な女性を演じた深津絵里は、まさにドンピシャの配役で、この役は彼女以外には考えられないような気がする。

 「駅路」を見た後、前から見たかった映画「トゥヤーの結婚」をDVDで見た。先日見た「白い馬の季節」と同じく、中国内モンゴル地区が舞台の映画で、「白い馬」に劣らず素晴らしかった。何が素晴らしいかというとまずは荒涼たる砂漠の映像に圧倒される。見ながら、ちょっとチェン・カイコーの「黄色い大地」を想い出した。それから二つ目はヒロインのトゥヤーを演じるユー・ナンという女優の魅力だ。今、中国期待の若手女優らしいが、そんなことは知らずに見始めたので、馬やラクダの乗りこなしも上手だし、赤黒い肌の色などから、現地住民をオーディションで選んだのかなと思ったほどだ。実物は左の写真のようにとても綺麗な女優さんだ。若い頃の奈良岡朋子さんを彷彿とさせる。また、中国では「コン・リー二世」と言われているらしい。ストーリーは二人の子持ちのトゥヤーの再婚をめぐる可笑しくも悲しい話だが、現代の日本とはあまりにも違う結婚観に驚かされる。砂漠で生き抜くためには、結婚とは労働力の確保なのだ。農耕民族だった日本人もかつては“さもありなん”と思わせる。ともかく登場するすべての人たちがいとおしくなる。ワン・チュアンアン監督、ユー・ナンさんの次回作に期待したい。