徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「稲穂のかんざし」のはなし。

2018-01-10 17:53:09 | 日本文化
 日本では古代から木々や季節の草花などで髪を飾る髻華(うず)や挿頭華(かざし)といった習慣があったという。その流れを汲む簪(かんざし)も女性が髪を結う時に使う伝統的な装身具となった。
 京都の花街では正月に芸舞妓さんたちが稲穂のかんざしで髪を飾る習慣がある。これは関西で松の内とされる15日までの間だそうだ。なぜ正月に稲穂のかんざしを使うかというと、年の初めに当たり、その年の五穀豊穣ひいては商売繁盛を祈る意味と、実るほど頭を垂れる稲穂の謙虚さを失わないという意味もあるという。一般的に舞妓さんが髷の右側、芸妓さんが左側に付けるそうで、こうした風習が全国の花街にも伝わっていったといわれる。
 舞踊団花童は主宰する中村花誠先生が京都生活が長かったこともあり、基本的に京都方式のようで、花童の子たちは右側に、卒業生で名取のはつ喜月若さんは左側に付けているようだ。
 ちなみに花童の稲穂のかんざしは、花童ゆりあのお祖父様が、京都の舞妓さんが付けているのをTVでご覧になり、自ら育てた稲穂で孫娘の髪を飾りたいという発想から始まったそうだ。そしてゆりあママ手づくりによるかんざしが花童全員の髪を飾ることとなったそうである。