クーたんとココ君のお家

燕尾服を着た女の子クーたんと神戸から来たやんちゃ坊主ココ君の小さなドラマ。

平和のシンボル

2008-06-13 09:36:29 | Weblog
朝ご飯をお腹一杯食べ、おもちゃを出して遊び、家の中を全力で駆け回ったココは、ピョンとソファーに上がると、数分間毛繕いをした後眠むってしまった。フラッシュを光らせても起きる気配は全く無い。それを見ている僕も、ゆったりとしてくる。何と言う平和な朝の風景だろう。
終戦後と言っても、昭和30年代の半ばの事だが、東京・池袋にはまだバラックの商店や飲食店街があった。ある夜明け前の事、立教チャペルのサーバー当番で、その街を歩いていた。いつの間にか僕の周りには、野良犬の群れが。その目はギラギラと光り、飢えて獲物を狙うようであった。学校までの10分程の道が遠く感じられた。怖かった。チャペルに入っても身体は震えていた。この時代人ばかりか、犬も猫も全て飢えていた。馬鹿な首相が「貧乏人は麦を食え」と言った。
あれから40数年、東京の街は綺麗になった。池袋もあの当時の面影は全く無い。野良犬も居ない。ワン・ニャンの生活も変わった。健康に配慮された食事を与えられるようになった。ワン・ニャンの顔付きも優しくなった。ワン・ニャンと共生出来る社会は平和である。
だが、……。思いやりが無く、命を粗末にする社会、国家はまたあの悲惨な時代を繰り返すのか。危惧するのは僕だけか。