じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

九月三日 縄文を訪ねて

2021-09-04 14:49:32 | 日々の雑感
昨日訪れた酸ヶ湯温泉で「北海道・北東北の縄文遺跡群」なるパンフレットを見つけたのであります。

縄文好きの自分としては帰り道でどれか一つでも立ち寄れないかと地図を眺めると、秋田県の内陸の「大湯環状列石」が地理的に良いかと思い候補地として距離を検索。

結果は、国道7号と103号経由で99.6キロ、2時間弱と出た。
しかし、鹿角市まで行くのであれば近くの小坂市の観光名所も外せないわけで、それなら先にそちらを回ろうとナビを「小坂鉄道レールパーク」にセットした次第であります。

さて、午前10時開場を睨み8時ごろに野宿地を出発。
慌てる必要もないので燃費稼ぎのエコランに徹して到着したのが9時50分でありました。

で、小坂鉄道だけだと550円の入場料なんですが、歩いて行ける近所に明治から残る芝居小屋の「康楽館」と「小坂鉱山事務所」の観覧をセットにした1350円のチケットが販売されていたのであります。

当然三点セットの券を買い求めレールパークに入場した次第であります。

ただいまぁ〜 と 学生が降りてきそうな

こんな雰囲気の駅舎はどこにでもありましたが、廃線が進み駅舎も姿を消しているようです。
懐かしさだけで維持できないのは承知ですが残って欲しいと願ってしまいます。

時は止まっています

今にも走り出しそうと見るか、時が止まって見えるかは人それぞれと思いますが、自分は音の無い空間に止まった時を感じました。

ブルートレイン あけぼの

宿泊施設として稼働していたブルートレインもコロナ禍に押され今年度の営業は休止とのことであります。

500馬力のディーゼルエンジン

6気筒500馬力のディーゼルエンジンの銘板に「ダイハツ工業」とあって驚きました。
ダイハツがこんな大きなディーゼルエンジンを製造していたとは知りませんでした。



紙の切符はいつまで使ったのか忘れました

ああ、これだこれだ、懐かしいなぁ・・・紙の切符に鋏を入れてもらって乗車したんだ、と。


さくらフィルム 覚えていますか

日本初のカラーフィルムは「さくら天然色フィルム」でありました。


康楽館と明治100年通り

芝居小屋の康楽館は雑誌やニュースで名前だけは知っていましたが、この度訪れて中を拝見し、案内の人の説明を聞いて感激してしまいました。

小坂鉱山繁栄の象徴は数々あったわけですが、辺鄙な山の中にこれほど立派な娯楽施設が造られるほど財力があった異に改めて驚きました。

小坂鉱山の技師や労働者のための病院や娯楽施設やらで街が成立し、そして鉄道まで敷いてしまうわけですから昔の鉱山の力は凄かったのだと溜息さえでる次第であります。

時代を感じる桟敷席

芝居小屋は鉱山が廃れて後は放置され朽ちており、取り壊しの話が持ち上がっていたそうであります。
それに心を痛めた小沢昭一が立ち上がって修復して芝居小屋として復活させたのだそうであります。

で、この小屋で講演をした顔ぶれを見ると魂消ること間違いなしであります。
歌舞伎の有名どころが網羅され、落語や水戸黄門の芝居まで打たれているのであります。

これは是非芝居を観に行かなくてはと思った次第であります。


小坂鉱山事務所 

いや、パンフレットに書かれた華々しい歴史は今の佇まいに寂しさを添えてしまうと言ったら語弊がありましょうか。

建物の中は鉱山の博物館になっていて当時の栄華を偲ばせるわけですが、自分は戦前と戦後の日本そのもののような歴史に物の哀れを感じたのであります。


窓からの眺めはモダンの一言であります

いや、小坂では思いの外時間を食いまして、大湯環状列石に急がなければもう一泊かという事態に追い込まれたのであります。


環状列石の現物見学は無料

いや、車を止めて真っ先に目に入るのが「大湯ストーンサークル館」でありまして、訳も分からずに320円を支払って入った訳であります。

展示物としてはやや少なめと言いますか、三内丸山遺跡などと比べるのは可哀想でありますが、それなりに見応えがあります。


芸術的かつ繊細であります

私ゃ縄文式土器を見るといつも思うんですが、縄文人ってのは現代の土人より相当進んだ民であったと思うのであります。

繊細な焼き物を焼く技術も然りですがデザイン的に素晴らしいものがあり芸術的センスに唸ってしまうのであります。

そんなわけで縄文人が先祖な割に現代の民は進化どころか退化さえ感じると思うのでありまして、大陸の国のように既に民族は入れ替わっているのか、なんてことを思うのであります。

縄文人は開放感のある高台に住むようです

三内丸山遺跡もそうなんですが、縄文人は少し小高い丘の上に集落を構えるのが好きなようであります。

なんと申しましょうか、固定資産税や地割りの制約など無く気持ちの良い好きな場所が選べたと思うと羨ましい限りであります。

それにしても、復元された「掘立柱建物」は壁が無いのですが、それほど温暖だったのでありましょうか。

縄文人の顔は宇宙人顔です

なんと申しましょうか、埴輪などの顔を見るにつけどうしても現代人と違う人種に見える訳です。

で、今読んでいる本に面白い説が載っていまして「ヒルコ説」や「渡来人説」に頷いている訳でありますが、自分としては宇宙人説も棄て難いと思う訳であります。

さて、大湯環状列石を駆け足で見学し、次なる目的地は「玉川温泉」であります。

知る人ぞ知る名湯 玉川温泉

硫化水素充満 :源泉垂れ流し

いや、どうせ帰り道なんで軽く立ち寄るつもりで行ったのですが、入ってみればあまりの心地よさに長湯をしてしまいまたもや時間に押されてしまったわけであります。

玉川温泉は八幡平の山懐、標高700メートルくらいの所にありまして、泉質が特殊なのであります。

まずは、ラジウムを含む塩酸泉で、phは1.2と強酸性であります。
で、源泉は98度らしいのでどこかで冷ましてから湯船に入れると思うのですが、やや低めの湯なのでいつまでも浸かっていられるのであります。

しかし、身体に傷がある人が無防備に入ると激滲みでして、また自分などは股間の粘膜的な所にもかなりの刺激を感じるのですが、この痛みとも言える刺激がたまらないのであります。

いや、本来なら湯治宿へ長逗留して身体の調子を整えるのが良いのですが自分は駆け足の1時間半でありました。

いやいや、ここからが大変でして、高速を使っても使わなくても40分程度の差しかないのに料金は3800円・・・うーん、これは下道だなとケチって山形県経由で帰宅の途へ。

なんと申しましょうか、夕方は田舎道でも混むというのを計算に入れなかったためずんずんと到着時刻が遅れ、6時半には帰れると踏んだのが七時半になってしまい風呂でのんびりしたつけが体に重かった訳であります。

と、いうことで、午後7時半ごろ帰宅して二泊三日の車中泊の旅は終了でありました。

走行距離    1310キロ
ガソリン    89リットル 
燃費      14.8Km
高速代     2700円
食費と入場料  13000円


  あー楽しかった、と








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九月二日 夕日の写真

2021-09-04 14:35:10 | 日々の雑感
車中泊の駐車場からの景色は過去のどの場所よりも素晴らしかったのであります。


沈み始めの夕日

まだ沈みません

テーブルに隠れた夕日

テーブルに乗った夕日

黄昏

太陽が海に沈む時 じゅっと音がします

残り陽



お目汚しでありました😅 
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九月二日 下北から津軽へ

2021-09-04 12:09:02 | 旅と感想
。九月二日、晴れそうな朝。

駐車場にも倒木や土砂が

いや、明るくなって状況が見えて吃驚であります。
駐車場の一部にも土砂や倒木が傾れ込んでいるし、雨水が運んだと思しき枯葉や小枝が散らばっているのでありました。

あいやぁ・・・来てはいけない時に来てしまったのだなとしみじみ思った次第でありますが、来てしまったものは仕方が無いのでさっさと退散することにした次第であります。

朝食 おにぎり・味噌汁・コーヒー

あれです、昨年止まった時は道を行き来する車も無くとても静かな場所だったんですが、今朝は夜明け前から薬研温泉方向に走る車が引きも切らずでありました。

推測ですが、大規模な災害復旧工事などが行わけているものと思います。

六ヶ所村の辺り

さて、今日の予定は特になしでありますが、取り敢えずは風呂に入りたいわけであります。
そー言うことなら温泉だな、と思いつつ閃いたのが、もう20年も訪れていない「酸ヶ湯温泉」でありました。

酸ヶ湯は八甲田山の中腹に抱かれた名湯でありますが、冬になると積雪5メートル越えなどで全国ニュースにでるので有名かと思います。

で、酸ヶ湯に行くにはむつ市から野辺地を通り十和田市に出て八甲田山に
向かう訳ですが、この山道が静かでしてドライブするだけで気持ちが和むのであります。

日本三大秘湯の一つ 谷地温泉

そんなわけで八甲田山中を走っていますと「谷地温泉」の看板を見つけた訳であります。

おお、そうであった谷地温泉を忘れていたぞ、と先に寄り道したわけですが、こちらも20年ぶりの懐かしさでありました。

いや、変わらないなぁ・・・たぶん。
で、中に入っても誰もいず、自販機で600円の入浴券を買い求め勝手に入った訳ですが、ここは酸ヶ湯の開湯300年よりも古い400年を誇る秘湯でして知る人ぞ知る名湯なのであります。

しかし、古いだけが取り柄の湯では無く、足元湧出の源泉がすばらしい本物の名湯なのであります。

酸ヶ湯温泉

谷地温泉から酸ヶ湯は近くでして、谷地温泉の火照りも冷めやらぬ間に到着であります。

駐車場に入って感じたことは・・・天下の酸ヶ湯も閑散か、でありました。

ここは千人風呂と銘打った大きな風呂が売りですが、もっと有名なのが頑なに守り続ける「混浴」でありましょう。

いや、自分が入った時に若いカップルが来まして女性も入浴されたんですが私は目を向けることができませんで常にあらぬ方を向いて居た次第であります。

あれです、酸ヶ湯ってくらいですから舐めると酸っぱい訳で、酸性の硫黄泉ですが、それほど滲みる酸度では無いと自分は思いました。

黒石市 津軽伝承工芸館

さて、酸ヶ湯の後の行き先も決めて居なかったわけで、走り出して思案した次第であります。

黒石から秋田方向に走れば帰り道としては楽だが、津軽の西海岸沿いを捨て難いし・・・どーする?

と、走っているうちに弘前方向に降りてしまい、取り敢えず八甲田山を降りたところで行き当たる津軽伝承工芸館で休憩と昼飯にした次第であります。

いや、多分コロナの影響と思いますが開館当初の賑わいは無く閑散としているのに驚きました。

が、飲食店はやって居たので「煮干しラーメンとブダ丼のセット」850円を食し西津軽は鯵ヶ沢を目指すことにした次第であります。


夏の西津軽の風は軽い


夏の西津軽の海は輝く

随分前に日本のヘソは津軽だと言った人がいた。
その頃の自分は縄文時代に興味も無く可笑しなことを言うものだと思ったが今は違う。
日本の始まりは間違い無く津軽であったと確信する・・・たぶん。

そんな太古のロマンなど考えながら走る国道101号線に吹く風は軽く、そして熱いのでありました。

さて、鰺ヶ沢のスーパーで今夜の夕食を仕込んだのですがその際に明日の朝食を買い忘れました。
まっ、通りすがりのコンビニでおにぎりを買えば良いと思ったのですが、この考えが後々尾を引くのでありました。

深浦町 円覚寺

101号を走りたかった自分は途中にどこか見所はないものかと検索し名刹「円覚寺」を見つけたのであります。

Wikiによれば、真言宗醍醐派 春光山 円覚寺(えんがくじ)は、大同二年(西暦807年)征夷大将軍坂上田村麻呂が建立したと伝えられる県内屈指の古刹、と言うことで、これは外せないと向かった次第であります。

いや、葬式をやらない修験道の寺だそうで建物その他は割と地味であります。
しかし、境内に聳える杉の大木が寺の歴史を物語る訳で、荘厳な感じたっぷりでありました。

いや、深浦にならコンビニはあるだろうと思っていたのですが無いのであります。

鯵ヶ沢の街を過ぎたら何も無い・・・と、言ったら地元民に怒られそうですが、現実として何も無いのであります。

結局青森県を超えて秋田県の八森までコンビニは無かったのでありますが、その距離はグーグルによると80キロでありました。

西津軽から秋田県の八森辺りの国道101号線の雰囲気は東北地方でも数少ない昔の風景を保っていると自分は思うんですが、それは偶に訪れる余所者の感慨でして、地元の人は発展開発を待ち望んでいるんでありましょう。

眺め抜群の駐車場

ハンバーグ・ちらし寿司・オニオンサラダ

こんな感じでやってます

ここは夕日の展望台になっていて日没頃は親子連れからカップルと賑やかなところでありました。
しかし、迂闊に長居をすると蚊に食われるので意外とさっさと帰るようであります。

そして、国道101号は深夜に通るトラックも少なく静かで快適な夜を過ごせました。

また一つ良い野宿場所をみつけました。

明日へつづく


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九月一日 北へ

2021-09-04 08:45:04 | 旅と感想
私が北へ憧れるのは日本人の血がそうさせるのだと思うようになった。
とくに青森県の津軽地方に強い郷愁にも似た思いが生まれるのは間違い無く日本人の祖先、根元がそこにあるからだと思うのだ。
世界遺産登録となった南北海道と北東北の縄文遺跡と文化に触れるにつれ自分の身体に流れる遠い祖先の血が呼応するのだと思うのであります、なんちゃって。

当初の計画はバイクにテントを積んでのツーリングでありました。
しかし出かける朝から雨でして、さらに帰りの予定時刻も雨となると気持ちは萎えるのでありました。

いや、それなら車中泊に切り替えれば良いと思い直し特別行きたい所も無いままに家を出たのであります。

向かった先は、取り敢えず北の方で高速道路代のかからぬ三陸自動車でありました。

三陸自動車道は今の所、宮城県の鳴瀬・奥松島ICから先は無料共用区間なのであります。

気仙沼湾横断橋(愛称:かなえおおはし)

あと少しで岩手県に入るのにまだ小雨が降っていまして、バイクで来たら濡れただろうと迷っていた気持ちに区切りがつきました。

三陸自動車道はまだ全通はしていず所々で国道に降りるのであります。
しかし国道の通過に一番時間が掛かっていた宮城県の気仙沼が横断道の完成で短縮され利用価値は一気に高くなったと思うのであります。


めかぶ蕎麦が美味い!! 850円

いや、昼飯時にはまだ早かったのですが自動車道が途切れトイレ休憩に立ち寄った道の駅で昼食にした次第であります。

3.11の津波で残った奇跡の一本松が有名になった岩手県陸前高田市の「高田松原道の駅」は「高田松原津波復興祈念公園」と併設であります。
しかしそれは近代的な建物になり津波前の面影の薄い、どこにでもある立派なものであるなと、部外者は思ったのでありました。

ちなみに奇跡の一本松はその後枯れまして現在建っているものはコンクリート製のモニュメントでありますが、まっ、いいでしょう。

間も無く日没 下北半島に来ました

なんと申しましょうか、高速の無料につられ惰性で走り続けいつの間にか私の心の故郷とも言える青森県は下北半島に来ていました。
こうなると勝手知ったる下北地方なので取り敢えずむつ市で夕食の買い出しをし、では、と無料で入れる薬研温泉に向かったのでありました。

なんと 全面的に閉鎖ですと!!!

いや、この時点ではてっきりコロナ関係での閉鎖かと思っていたのですが、これがとんでも無い勘違いで、このあと赤面の至りとなるのでありました。

下風呂温泉街の新しい入浴施設

そーか、薬研温泉がダメなら近い所というと下風呂温泉へ行こうと走ったのですが、途中で検問のような箇所があり「どちらへ行きますか」と問われた訳です。
「下風呂ですが」と言うと、2人の係員が何やら顔を見合わせていましたが赤棒を振って通してくれた訳です。

で、程なくして現れたのが土砂で流失した箇所にかけられた仮設の橋でありました。

自分はテレビのニュースで見て下北の豪雨と仮設の橋は知っていましたが、未だに復旧せずに緊急車両と住民しか通さない橋だとは思いもしなかった訳です。

そして、のこのこと昨年の暮れごろにできた「海峡の湯」を訪れた訳であります。
すると、温泉の係りの人が自分の車のナンバーを見咎め「災害復旧中で地元の人しか入れません」と怖い顔をして言いに来た訳であります。

自分はこの時になってやっと事の次第が飲み込め、とんでも無いことをしていたと自覚したのでありました。  

バカ丸出し・・・あー恥ずかしいと逃げるようにして走り出した訳ですが、緊急事態宣言破りだけでも顰蹙なのに被災地の温泉を訪ねてしまうとは鬼のような輩であると恥じ入った次第であります。

夕食は肉とイカの寿司です!!!

いや、下風呂温泉には他にも公共浴場があるのですが此の期に及んでのそれは悪魔の所業と諦めた次第であります。

そして向かったのは昨年も車中泊した薬研温泉近くの駐車場でありましたが、頭の隅を過ぎったのはひょっとしてトイレの閉鎖でありました。

大畑川沿いの夜の山道を登っていくと駐車場のトイレに明かりがついているのが見えほっとしました。

さて、風呂には入れませんでしたが静かに泊まれる場所が確保できたので一安心、となって襲って来たのが空腹であります。

今夜の品揃えは、仙台牛の牛タン・アメリカンビーフのサーロインステーキ・焼き野菜・ヤリイカの寿司、であります。

あれです、近頃の野宿では度々食しているアメリカンビーフのステーキなんですが、とても安いのにそこそこ柔らかく、普通に美味しいと思う訳であります。

で、さすがにイカの産地のむつ市でありまして、ヤリイカの寿司はとてもスーパーの安物とは思えない味でありました。
こうして地元の名物を安く食べられるのも車中泊の楽しみであります。

しかしこの日の夜は遅くまで車の往来があり、昨年の静かさが嘘のようでありました。


九月二日につづく









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