昨日訪れた酸ヶ湯温泉で「北海道・北東北の縄文遺跡群」なるパンフレットを見つけたのであります。
縄文好きの自分としては帰り道でどれか一つでも立ち寄れないかと地図を眺めると、秋田県の内陸の「大湯環状列石」が地理的に良いかと思い候補地として距離を検索。
結果は、国道7号と103号経由で99.6キロ、2時間弱と出た。
しかし、鹿角市まで行くのであれば近くの小坂市の観光名所も外せないわけで、それなら先にそちらを回ろうとナビを「小坂鉄道レールパーク」にセットした次第であります。
さて、午前10時開場を睨み8時ごろに野宿地を出発。
慌てる必要もないので燃費稼ぎのエコランに徹して到着したのが9時50分でありました。
で、小坂鉄道だけだと550円の入場料なんですが、歩いて行ける近所に明治から残る芝居小屋の「康楽館」と「小坂鉱山事務所」の観覧をセットにした1350円のチケットが販売されていたのであります。
当然三点セットの券を買い求めレールパークに入場した次第であります。
ただいまぁ〜 と 学生が降りてきそうな
こんな雰囲気の駅舎はどこにでもありましたが、廃線が進み駅舎も姿を消しているようです。
懐かしさだけで維持できないのは承知ですが残って欲しいと願ってしまいます。
時は止まっています
今にも走り出しそうと見るか、時が止まって見えるかは人それぞれと思いますが、自分は音の無い空間に止まった時を感じました。
ブルートレイン あけぼの
宿泊施設として稼働していたブルートレインもコロナ禍に押され今年度の営業は休止とのことであります。
500馬力のディーゼルエンジン
6気筒500馬力のディーゼルエンジンの銘板に「ダイハツ工業」とあって驚きました。
ダイハツがこんな大きなディーゼルエンジンを製造していたとは知りませんでした。
紙の切符はいつまで使ったのか忘れました
ああ、これだこれだ、懐かしいなぁ・・・紙の切符に鋏を入れてもらって乗車したんだ、と。
さくらフィルム 覚えていますか
日本初のカラーフィルムは「さくら天然色フィルム」でありました。
康楽館と明治100年通り
芝居小屋の康楽館は雑誌やニュースで名前だけは知っていましたが、この度訪れて中を拝見し、案内の人の説明を聞いて感激してしまいました。
小坂鉱山繁栄の象徴は数々あったわけですが、辺鄙な山の中にこれほど立派な娯楽施設が造られるほど財力があった異に改めて驚きました。
小坂鉱山の技師や労働者のための病院や娯楽施設やらで街が成立し、そして鉄道まで敷いてしまうわけですから昔の鉱山の力は凄かったのだと溜息さえでる次第であります。
時代を感じる桟敷席
芝居小屋は鉱山が廃れて後は放置され朽ちており、取り壊しの話が持ち上がっていたそうであります。
それに心を痛めた小沢昭一が立ち上がって修復して芝居小屋として復活させたのだそうであります。
で、この小屋で講演をした顔ぶれを見ると魂消ること間違いなしであります。
歌舞伎の有名どころが網羅され、落語や水戸黄門の芝居まで打たれているのであります。
これは是非芝居を観に行かなくてはと思った次第であります。
小坂鉱山事務所
いや、パンフレットに書かれた華々しい歴史は今の佇まいに寂しさを添えてしまうと言ったら語弊がありましょうか。
建物の中は鉱山の博物館になっていて当時の栄華を偲ばせるわけですが、自分は戦前と戦後の日本そのもののような歴史に物の哀れを感じたのであります。
窓からの眺めはモダンの一言であります
いや、小坂では思いの外時間を食いまして、大湯環状列石に急がなければもう一泊かという事態に追い込まれたのであります。
環状列石の現物見学は無料
いや、車を止めて真っ先に目に入るのが「大湯ストーンサークル館」でありまして、訳も分からずに320円を支払って入った訳であります。
展示物としてはやや少なめと言いますか、三内丸山遺跡などと比べるのは可哀想でありますが、それなりに見応えがあります。
芸術的かつ繊細であります
私ゃ縄文式土器を見るといつも思うんですが、縄文人ってのは現代の土人より相当進んだ民であったと思うのであります。
繊細な焼き物を焼く技術も然りですがデザイン的に素晴らしいものがあり芸術的センスに唸ってしまうのであります。
そんなわけで縄文人が先祖な割に現代の民は進化どころか退化さえ感じると思うのでありまして、大陸の国のように既に民族は入れ替わっているのか、なんてことを思うのであります。
縄文人は開放感のある高台に住むようです
三内丸山遺跡もそうなんですが、縄文人は少し小高い丘の上に集落を構えるのが好きなようであります。
なんと申しましょうか、固定資産税や地割りの制約など無く気持ちの良い好きな場所が選べたと思うと羨ましい限りであります。
それにしても、復元された「掘立柱建物」は壁が無いのですが、それほど温暖だったのでありましょうか。
縄文人の顔は宇宙人顔です
なんと申しましょうか、埴輪などの顔を見るにつけどうしても現代人と違う人種に見える訳です。
で、今読んでいる本に面白い説が載っていまして「ヒルコ説」や「渡来人説」に頷いている訳でありますが、自分としては宇宙人説も棄て難いと思う訳であります。
さて、大湯環状列石を駆け足で見学し、次なる目的地は「玉川温泉」であります。
知る人ぞ知る名湯 玉川温泉
硫化水素充満 :源泉垂れ流し
いや、どうせ帰り道なんで軽く立ち寄るつもりで行ったのですが、入ってみればあまりの心地よさに長湯をしてしまいまたもや時間に押されてしまったわけであります。
玉川温泉は八幡平の山懐、標高700メートルくらいの所にありまして、泉質が特殊なのであります。
まずは、ラジウムを含む塩酸泉で、phは1.2と強酸性であります。
で、源泉は98度らしいのでどこかで冷ましてから湯船に入れると思うのですが、やや低めの湯なのでいつまでも浸かっていられるのであります。
しかし、身体に傷がある人が無防備に入ると激滲みでして、また自分などは股間の粘膜的な所にもかなりの刺激を感じるのですが、この痛みとも言える刺激がたまらないのであります。
いや、本来なら湯治宿へ長逗留して身体の調子を整えるのが良いのですが自分は駆け足の1時間半でありました。
いやいや、ここからが大変でして、高速を使っても使わなくても40分程度の差しかないのに料金は3800円・・・うーん、これは下道だなとケチって山形県経由で帰宅の途へ。
なんと申しましょうか、夕方は田舎道でも混むというのを計算に入れなかったためずんずんと到着時刻が遅れ、6時半には帰れると踏んだのが七時半になってしまい風呂でのんびりしたつけが体に重かった訳であります。
と、いうことで、午後7時半ごろ帰宅して二泊三日の車中泊の旅は終了でありました。
走行距離 1310キロ
ガソリン 89リットル
燃費 14.8Km
高速代 2700円
食費と入場料 13000円
あー楽しかった、と