奥能登国際芸術祭開幕まであと4日。
市内各地に点在する作品もほぼ出来上がり、今日は作品の展示場所を表示する看板の設置もおこなわれていた。
パスポートの前売もほぼ目標通りのようだ。
いよいよ開幕へカウントダウンである。
さて、芸術祭巡りに欠かせないのがこの公式ガイドブック。
作品や作家の紹介だけでなく、珠洲の歴史や文化などの紹介も散りばめられるなど、珠洲情報満載である。
表紙には「完全網羅」とある。
確かに情報満載だが、実は残念なことに来場者に必要な情報で記載されていない情報がある。
バリアフリー関係の情報である。
車椅子で鑑賞される人、あるいは市内でも押し車を利用して移動する人、あるいは杖を手放せない人は大勢いる。
作品展示場所までちゃんと行けるようになっているのか、障がい者用のトイレはどこにあるのか。珠洲自慢の飲食スポットもたくさん紹介されているが、車いすで利用できるところはどこ?
芸術祭は実行委員会主催とは言え、珠洲市が中心を担う組織なので、作品展示場所は当然ながら障害者差別解消法で法的義務とされる「障害者への不当な差別の禁止、障害者への合理的配慮」がなされていなければならない・・・はず。
昨年3月議会では私の質問に対して福祉課長は、
「本市といたしましても、障害を理由に区別、排除したり、制限や条件をつけるなどの不当な差別的取り扱いを禁止し、障害がある方から社会的障壁への配慮を求める意思の表明があったときは、合理的な配慮を提供してまいりたいと考えております。」
と答弁している。
すべての作品展示場所でパーフェクトな受け入れ態勢が整っているからガイドブックにあえて記載していないということならこんな素晴らしいことはない。
が、どうもそんな感じはしない。
残る3日間の最後の会場準備の仕上げを注目したい。
ちなみに先月開催された大町市の北アルプス国際芸術祭では、地元の市民グループが独自に住民アセス調査票をつくり各展示場をチェックしている。
その中のバリアフリーの評価の目安には3点記載されていて、
・車イスでの作品鑑賞は可能か
・高齢者等が移動しやすいか
・視聴覚障がい者の鑑賞は可能か
とある。
3点目の視覚障がい者のアート鑑賞は、私の頭の中から完全に消えていたが、例えばこんな取り組みも。
見えない世界で見えるものとは? 視覚障がい者の美術鑑賞
国際芸術祭と銘打つからには、単に海外からのアーティストが参加しているというだけでなく、運営も「国際」に恥じないグローバルなレベルが求められるはず・・・
などという立派な話はちょっと横に置いておいて、まずはローカルな次元で恐縮だが、作品展示場所の近所のおばあさん、おじいさんがちゃんと見に行けるようになっているか、そこが最初のチェックポイントだ。
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