北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

月2万円の政務活動費を使いこなさないなんて・・・

2019-08-21 | 珠洲市議会
珠洲市議会では3年前に発覚した政務活動費の「不正使用」を受け、政務活動費の交付に関する条例の改正をおこない(H28年12月議会)、新たに政務活動費運用マニュアルを策定した(H29年3月)。、

その経緯については運用マニュアルの「はじめに(P1)」をご覧いただきたいが(珠洲市議会だよりでも要点を報告済み)、ここでは条例改正を受けて各議員の「政務活動費実績報告書」が市議会ホームページにアップされ、さらに領収書やその他の支出内容を確認できる書類についても、どなたでも市役所5階の議会事務局で閲覧申請の手続きだけ閲覧できるので、その内容について少し紹介したい。

条例改正のポイントの一つが県内では初めての後払い方式の導入だった。
後払い方式の導入は不正の再発防止策ではない(後払いでも不正を意図すれば可能)が、前払いと比較し不正を誘引する可能性は低くななること、また使った分だけ請求する(上限は年24万円)という支給方式の方が市民の皆さんの理解を得られるだろうという判断があった(政務活動費の本来の在り方として後払い方式が妥当かどうかについては議論のあるところだが)。
さらに詳細な運用マニュアルを策定したことで、議員側からみて「使い勝手」は悪くなったことは間違いない。しかし、政務活動費は貴重な税金であり、執行機関側に無駄を省け、効率的な執行を、などという議員として厳格で透明性を確保した上での政務活動費の活用は当然のことだ。

さて、前置きが長くなったが、この制度改正後の政務活動費の使途状況だが、それ以前のほぼ100%近い執行率から大きくダウン。
H29年度は年間24万円を使い切らなかった議員が14人中11人、予算の執行率はなんと67.6%にとどまった。
H30年度はやや改善されたが使い切らなかった議員は10人、執行率は82.2%にとどまった。

市の事業で、予算を効率的に執行し不用額が生じることはいいとしても、これは同列には語れない。
他の議会と比較しても決して多いとは言えないひと月あたり2万円、年間24万円の政務活動費を使いこなさないなんて・・・不正は論外だが、これまたなんとも残念な話だ。後払い方式の導入は理由にならない。
4月の改選を経た議員の皆さんにはぜひとも全額有効活用していただきたいものだ。

さらに問題なのは使途内容。
かつて先輩議員から「調査なくして発言なし」と議員活動の原則を繰り返し説かれたことを覚えているが、調査研究費や研修費の比率が低いのも気になるところ。
一方で国会議員などへの要請・陳情活動費が目に止まる。
以前の「政務調査費」から要請・陳情活動費にも使える「政務活動費」へと法改正がおこなわれた。
議員の活動として、要請・陳情活動も重要なことは否定しないが、例えば政党の支部活動として、あるいは支持者の皆さんと一緒に後援会活動の一環として実施することも可能だ。
限られた予算の使途としては調査研究、研修を優先すべきではないか。
使途マニュアルの作成に関わった者としては反省点の一つだ。

さて、ここまではまだまだ政務活動費の入り口の話。
多くの市民の皆さんの関心事は、政務活動費が議会の中での各議員の活動にどのように生かされているかということだろう。
視察や研修に行ってきたと言っても、何を勉強してきた?本当に勉強してきた?という疑問を持たれる方も多いかもしれない。
そこは興味のある方にはぜひ閲覧可能となった視察や研修の報告書をご覧いただきたい。
以前は会派で視察に行けば、一人が書いた報告書をコピーしてみんなで同じ報告書を提出なんてこともあったようだが、今はそんなことはない。
各議員の報告書を見れば同じ視察に行ってもそれぞれの問題意識が見えてくる。
日々の議員の活動、あるいは議会での発言などと合わせてみていくとなお興味深い。

ちなみにH30年度は同志会の皆さんは大地の芸術祭を視察している。
私も開催前の越後妻有を視察させてもらった。

同志会の皆さんの報告書を見て気になった点を一つ。
昨年開催された第7回展となる大地の芸術祭の事業費について、実行委員会予算6億6千万円(トリエンナーレなので3年分)しか注目していない。
これ以外に十日町市事業、津南町事業、さらに十日町市・津南町事業を加えた今回の芸術祭の全体事業費は約14億9千5百万円に上る(大地の芸術祭2018総括報告書P7参照)
視察に行ったらここを踏み込んで聞かなきゃと私は思うが・・・




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