ブログ仙岩

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サザンカの花

2018-01-10 09:02:29 | エッセイ
今は終わりに近い山茶花の花で、ハイッ!みんぽう1月号の「サザンカの花」大石邦子のエッセイを読んだ。

兄が亡くなった一昨年の初冬、30年近く殆ど花を付けなかったサザンカが、道行く人を止めるほど溢れるばかりに花をつけた。S57年の頃歌会の始めで宮殿の中庭に咲いていたサザンカを見て、寒い会津ではと兄も渋ったが記念樹だからと強引に植えてもらったもの。

実は先日、石川町の読者円谷さんが、お庭で採れたユズに、一枚の写真のコピーが入っていた。小学校の遠足の時のもので、華厳の滝の前での集合写真に、ベレー帽をかぶった若き日の兄が写っていた。もしかして、ここに写っている子たちは、兄が詠うように言って聞かせた日を覚えている。

それは、高齢者となった兄が、運転免許証書き替えに行った時のことで、認知症テストというわけでもないと思うが、職歴や教え子の名前覚えておられますかとの質問に、いささかショックを受けた兄は、初任地の担任の子を、自分でも驚くほど子供の顔が次々と浮かび、4,5人で「もう結構です」と言われたが、ここで止めたら子ども達に不公平になるからと、全員言ってきたと。興奮気味に語ったものだった。

それが、この写真の子ども達だったのかもしれない。私はサザンカの花に写真をかざしながら、「兄ちゃんほら教え子さん達だよ」と言った。もうすぐ今年も終わる。新しい年はどんな年になるであろうと・・・。