ブログ仙岩

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二本松のこと

2023-04-17 04:44:41 | 旅行

能の「黒塚」、長唄・歌舞伎舞踊「安達ケ原」、歌舞伎・浄瑠璃「奥州安達ケ原」の舞台と言えば二本松市にある「黒塚」である。

安達ケ原の鬼婆伝説に登場する婆の墓がこの塚と伝えれている。平安後期の「拾遺和歌集」に、

「陸奥の安達ケ原の黒塚に鬼籠もれりと言ふはまことか」とある。これが基で謡曲・浄瑠璃が日本中の庶民に広まった。

鬼婆が棲んでいた岩屋の黒塚は天台宗眞弓山観世寺(安達ケ原4丁目)にあり、境内の阿武隈川沿いの一本杉が黒塚、その近くの奇岩に婆が棲んでいた。

さて二本松の霞が城の入り口に二本松少年隊の銅像がある。写真は2014年10月26日撮影。

これは戊辰戦争で、二本松藩の主力部隊が白河へ援軍に赴いたとき、霞が城の守備は前髪立ち(12才から17才)の少年隊の中から22名が赤い陣羽織に身を固め、大壇口の決戦に臨んだ。新政府軍戦いで劣勢にありながら、最後は敵陣に突入、戦死者16名、負傷者6名と、会津藩白虎隊と並び語られる悲劇である。

また、二本松には安達太良の伏流水の良質の水で理想的な銘酒、江戸時代創業の「大七」「奥の松」がある。

太田家大七には生酛酒造り日本一の名醸造に育ち、遊佐家大吟醸酒奥の松は二十年間の鑑評会で18回も金賞受賞し、大七の味は男らしく意気で、奥の松は女らしく優雅とも言えるだろう。我が山河より。