第2部:奇跡はすべて、聖霊の賜物なのか?
1.序論
神様が最初にこの地球を創造された時、この世界全体がエデンの園のようになることを望んでおられました。その時神様は、人類の始祖アダムとエバに、神様のかたちに似た存在として多くの贈り物を与えられました。それは生命、神様に似た品性、自由意志、美しい家、この世界を統治する権勢などです。そして彼らは、禁止された果実についての神様のお言葉に、単純に従うことを選び続けるなら、その贈り物を永遠に所有することが出来ました。創造主である神様の愛のいましめに従うことは、自然の法則のように当たり前で、人間の永遠の幸福を保障するものでした。
ところで、聖書に教えられている最も明確な最後の時代の徴候の一つは、すべての魂の運命が決定する世界最終戦争のため、サタンの勢力が目に見える形で出現することです。ヨハネの黙示録は、この最後の戦いをハルマゲドンの戦いと呼んでいますが(黙示録 16:16)、この戦いで神様とサタンは最後の大闘争を繰り広げ、全人類を巻き込んできた善と悪の大闘争は、最終的にここで幕を下ろします。聖書によると、サタンはこの時、世界全体を自身の陣営へ引き入れるために、欺瞞的な作戦やあらゆる狡猾な方法を用いると記録されています。ヨハネは、「悪魔が、自分の時が短いのを知り、激しい怒りをもって、おまえたちのところに下ってきたからである」と言いました(黙示録 12:12)。6000年間も準備してきたこの戦争のために、サタンは政治的勢力や宗教的力のすべてを利用するのです。ずば抜けた頭脳の持ち主であるサタンは、人々を救われないようにするための戦略をこれまでずっと立ててきました。彼の最終目標は人々が罪を犯すよう仕向けることです。なぜなら、人々を天国へ行けなくするたった一つのものが罪だからです。
聖書は罪を「不法(法を犯すこと)」と定義しています(Ⅰヨハネ 3:4)。パウロはもっと具体的にこう言っています。罪とは「律法(十戒)」を犯すことだと(ローマ 7:7)。だとしたら、最後の大闘争の争点は神様の律法に従うか、従わないかという問題になることは、疑いの余地がありません。サタンは神様の法と天の政府の法則を無視する存在です。遠い昔、サタンは神様を不公平な要求をする方として非難し、天の平和を破壊しました。彼は神様とは、被造物がとうてい守ることの出来ない法に従えと要求する、不当な方だとして非難したのです。その時から、彼は自分の非難が正しいことを立証するために、人々が神様の法を犯すように仕向けてきました。キリストを信じない人々は、サタンにとってそれほど厄介な存在ではありません。問題は神様を信じるという巨大な宗教集団の中にいる人たちを欺いて、どのようにして自分の反逆計画の中に引き入れるかということです。