連れ合いの母親は今から30年ほど前に病気で亡くなられており、父親も12年前に亡くなられています。
お二人ともお元気であった頃は二人で寺社を巡る旅にも行かれていたようでした。
義母が亡くなられ、義父が一人で長野の善光寺を訪ねられた時に、お坊さんのお経の声に混じって義母の元気な声が聞こえてきたそうです。
「不思議な体験だったよー」と、話してくださったことをよく覚えています。
そんな事もあり、2015年の夏に連れ合いと善光寺のある長野とその周辺を2泊3日で旅する計画を立てました。
かつて、連れ合いのお父さんがお母さんの声を聴かれたように連れ合いにも声が聞こえればいいなという思いがありました。
また、信州は私 “青春の地” で、連れ合いにも八ヶ岳や北アルプス、南アルプスの峰々の姿を少しだけでも見せてあげたいと思っていたのです。
交通機関も宿泊施設も全て私が勝手に決めて手配しました。
思い付きの旅だったので飛行機の手配が遅れ、行きは福岡空港から出発して羽田空港へ到着する便しか予約できませんでした。
帰りは何とか信州松本空港発の便を押さえることができました。
1日目は、羽田空港から小淵沢へ移動し、白樺湖と諏訪大社を廻り、八ヶ岳が望める「星野リゾート・リゾナーレ八ヶ岳」に泊まります。
2日目は、松本へ移動します。そして上高地と白骨温泉を廻り、善光寺近くに建つビジネスホテルに泊まります。
3日目は、善光寺の朝事に出て戸隠神社を訪ね、松本空港に向かいます
途中の移動手段はJRとバスと得意のレンタカーで、レンタカーは小淵沢と松本の2ヵ所で借りる計画です。
準備も万端で後は出発を待つのみとなった頃に、連れ合いが『突然仕事が入って行けなくなった』と言い出しました。
さあ、大変です!
私は計画段階から既に旅行が始まっていましたし、今さらキャンセルとなるとほぼ全額をドブに捨てる事になります… 。
私は1人でも行くつもりでした。
そんな時、娘が言ったのです。
「私、お父さんと一緒に行くよ」と… 、
急な事だったので、娘は職場にも無理を言って休みをとったのだと思います。