秋も日に日に深まりました。
鮮やかな紅葉の彩りも、少しずつ黄ばみ、風に葉を揺らしながら、舞い落ちています。
暦の上では立冬、過ぎる月日の速さを、重ねる齢に寂しさも交え、実感しています。
所属支部の句誌が届きました。
季節に合った冠題に、秋の雨を連想した一句が、とても嬉しい位置に載りました。
音を聴く 雨に癒され消ゆ妬心
滲む文字 見せぬ涙を詩に秘め
色に栄え 勇気をくれる蒼い樹々
月を愛で 憔悴の背に明日の灯を
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音遠く 離愁に咽ぶ夜の駅
秋満たし 化身の一葉夕映えす
秋の影 儚く逝きし雲追えど
絵と遊ぶ 夢巡りする美術館
宵たのし 文学少女になる余生
夢翔ける ソプラノ響かす男の子
昼の月 刈田を称え抱く如く
蒼蒼と オーケストラに欝を乗せ
一筆箋 人の温みを噛み締める
色々な事が次から次へと起こりますが、一つ一つ丁寧に向き合っていけば、少し
時間が掛かっても、いつか心が弾む日が来る事を、長い経験からそう思います。
日々夢中になれる趣味があることに、病に負けそうな気持ちも和らぎ、救われます。
見上げる秋の空から、エールの言葉が聞こえてきます。
今日も尋ねてくださって、有難うございます。