生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

Mario Bunge 哲学辞典:検証可能性

2011年11月02日 20時10分57秒 | 生物哲学
2011年11月2日-4
Mario Bunge 哲学辞典:検証可能性

検証可能性 scrutability[BungeDic1, p.262。BungeDic2と照合すべし]
 検証されるscrutinizedまたは検討されるexamined可能性〔ことができること ability〕。↑【科学主義 scientism】は、知覚できる痕跡を残すこと無く消滅した物以外には、検証できない物の存在を否定する。同様にして、反啓蒙主義者は検証できない存在者(神々といったもの)と不可触の言明(教条 dogma)の存在を言い張る。これが、このようなまがいごと pseudothingと偽りの真理pseudotruthの多くの不思議な性質について、彼らは遠慮なく長々と書く理由である。〔20111102試訳〕

[B]
Bunge, M. 1999. Dictionary of Philosophy. 316pp. Prometheus Books. [B991213, $41.97+48.65/7]

Bunge, M. 2003. Philosophical Dictionary. Enlarged edition. 315pp. Prometheus Books.



Mario Bunge 哲学辞典:説明、説明力

2011年11月02日 16時25分28秒 | 生物哲学
2011年11月2日-3
Mario Bunge 哲学辞典:説明、説明力

説明 explanation [BungeDic1, p.93-94。BungeDic2と照合すべし]
 説明は、諸事実と関係のある一つの認識的操作である。或る事実(具体物の状態または状態の変化)を説明することとは、それがいかにして生じたかを示すことにある。例:日没は地球の回転によって説明される。事実を説明することを急ぐ前に、それは人為産物または幻覚ではないことを、合理的に確信しなければならない。これは、その事実をできるだけ注意深く記述すること、そして観測、測定、または実験といった経験的手段によってその記述の正確さ〔的確さ accuracy。preciseは精確〕を照合する checkことを含む。ゆえに、説明は記述と試験〔テスト test〕によって先行される。説明には三つの側面〔相 aspect〕がある。すなわち、論理的、存在論的、そして認識論的という側面である。説明の_論理_は、規則性(たとえば、法則)と状況 circumstance(たとえば、諸初期条件)に関わる演繹的〔導出的 deductive〕論証としての説明を提示する。説明の_存在論_は、仮説化した↑【メカニズム〔機構〕mechanism】(因果的、機会的、目的論的、など)を指し示す。そして、説明の_認識論_は、既知のものまたはなじみのものと、新しいものまたはなじみではないものとの間の関係を問題にする。魔術的で宗教的な説明と同様に、典型的な科学的説明は、なじみではない諸存在者または諸性質を引き合いに出す。しかし、前者とは違って、後者は↑【検証可能 scrutable】〔scrutable 精密な調査[研究]によって理解できる(大辞泉)。日本の新聞やテレビではよく「検証」という言葉が聞かれる。アメリカ合州国でのscrutinizeが検証に当たるとどこかに書いてあった。実証との関係は? 科学業界での検証は、論理実証主義または論理経験主義的なverificationなのだろうか? 積極的な意味では、立証という語がある。verificationismを立証主義とし、testを試験またはテストとするとよいかもしれない〕である。そのうえ、通常の知識と 魔術的説明とは対照的に、科学的説明は↑【法則 law】とよく認定された〔保証された well-certified〕事実を伴う〔を要件とする involve〕。二種類の科学的説明を区別しなければならない。すなわち、弱いまたは包摂的と、強いまたはメカニズム的である。_包摂的_説明とは、普遍のもとで特殊を包摂することである。それは、
  (諸)法則 & 状況 |? 被説明項(説明されるべき事実)
という形式を持つ。ここで諸法則は純粋に記述的であり得る。たとえば、併存〔? concomitance〕の言明と速度方程式である。例:ボブが死を免れないことは、彼が人であるというデータ、および、すべての人は死を免れないという一般化によって(弱く)説明される。(つまり、∀x(Hx ⇒ Mx), bH |? Mb.)これは、J.S. ミル以来、大多数の哲学者たちが説明を理解してきたやり方である。_メカニズム的 mechanismic_または強い説明は、メカニズムの開示である。それは、包摂と同じ論理形式を持つが、それに関与する(諸)法則は↑【メカニズム〔機構〕mechanism】を記述する。集成 assembly、衝突、拡散、競争、そして協力〔協調 cooperation〕といったもののメカニズムである。たとえば、人は死を免れないことは、数多くの合同的に〔併発的に、同時的に concurrent〕作用するメカニズムによって(強く)説明される。すなわち、酸化、DNA損傷、消耗、アポトーシス(遺伝的にプログラムされた死)、ストレスに満ちた時期のあいだにできた糖質コルチコイドの作用による免疫の低下、事故、などによってである。メカニズム的説明は、包摂を包括 subsumeする。〔20111102試訳〕

 
説明力 explanatory power [BungeDic1, p.94。BungeDic2と照合すべし]
 仮説または理論の、それが言及する諸事実を説明する力。↑【適用範囲 coverage】(または確証の程度)と↑【深度〔深さ〕 depth】(関係する水準〔レベル level〕の数)の積として分析されるかもしれない。あらゆることを説明すると主張する仮説は、なにごとも説明しない仮説と同様に、まさに無価値である〔無用である worthless〕。〔20111102試訳〕


自立太陽光発電システム

2011年11月02日 00時27分03秒 | 生命生物生活哲学
2011年11月2日-1
自立太陽光発電システム

 電力会社に頼らない生活をすることはできないのだろうか。
 数日前、太陽光発電システムの展示を見に行った。約1m^2の単位板(モジュールまたはパネル)が数万円である。これで最大1.6kWが発電できるらしい(実際は?)。電力会社と電気の売買をせず、自分用にだけ使うことができる。自立運転モードである。直流から交流への変換器をつければよいらしい。或る人は、燃料を使った発電機では音がするし外に出てスイッチ操作するので、三枚の太陽光発電モジュールでやっているらしい。
 某社のちらしによれば、たとえば3.9kWシステムで(モジュール数は24枚。およそ6mx4mの設置面積くらいになるだろう)、大阪市で南向き30度の傾斜の場合は、年間予測発電量は4,234kWhとある。3,650kWhとして一日当たり平均では、10kWhである。また太陽光で発電しているときの、不使用量は蓄電池に100%貯めることができるとしよう。これで夜も電気が使える。なお、電気が不足してくると、まずは電圧が下がるようである。
 京都市内1世帯(世帯当たりの人員は平均2.2人)当たりの月別平均電気使用量は、
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  「2008年度電気使用量(京都市)
   kWh/世帯 前年増減% kg-CO2/世帯
4月  419     -9.2     142
5月  409     -1.8     138
6月  336     +0.9     114
7月  404     +2.9     137
8月  580     +12.0     196
9月  444     -15.1     150
10月  382     +0.5     129
11月  406     +2.4     137
12月  436     -9.9     147
1月  634     +4.6     214
2月  518     -7.9     175
3月  464     -10.8     157
年間  5,430      -2.9    1,840」
 京都市情報館の、
http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000043199.html
による。
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 一か月間に600kWhだとすると、一日当たりは20kWhになる。24枚の太陽光モジュールではその半分しか賄えない(しかも100%蓄電池に蓄えられると仮定している)。太陽光発電のちらしでは、一世帯当たり月平均電気使用量は141kWh(自家消費量)+317kWh(買電量)=458kWhとなっている。
 調理や風呂沸かしのためには、燃料を燃やすのが効率的のようなので、ガスや灯油や薪などを使う。核廃棄物を溜め込むことの日本国民にとっての危険性は、(あるとして)地球温暖化による危険性より大きいと考えるので(日本が温暖化すればその差し引き利益はとんとんかもしれない)、今生きているわれわれの生活を優先して、二酸化炭素排出削減は気にかけないこととする。
 電気使用をどこまで節約できるか。節約して200から400kWhだとしよう。
 電気使用は、
  電灯
  冷蔵庫
  エアコン
  暖房器
  テレビ
  パソコンやプリンター
によるものだとすると、電灯はLED電灯にすると一つが数Wくらいである。
 ガハハと笑っているだけのようなテレビ番組は見ないことにしよう。
 緑のカーテン機能を持たせたりする緑を植えよう。暑いときは、共同体用利便施設といった、涼しいところに多くの人が集まろう。
 なんとかなるような気がする。なんとかしよう。
 きっと、太陽エネルギーなどを利用した飛躍的な発明があるだろう。