
これは、今年の5月24日のアカンサスです。2年前にポリポットの小さな苗を購入し、
鉢植えで育てていましたが、一年目は葉が茂っただけで咲きませんでした。
手前には、ルドベキアや、グレープフルーツミントも混植しています。
アカンサス(分類は、APGⅢ〈被子植物系統グループ〉2009年第3版による(wikipedia)参照
キツネノマゴ科(Acanthaceae)ハアザミ連(Acactheae)ハアザミ属(Acacthus)
大型の常緑多年草 地中海沿岸(北西アフリカ、ポルトガルからクロアチア)の原産。
葉に深い切れ込みがあり、光沢があり、長さ1m幅20cmほどになる。晩春から初夏に
高さ2mほどの花茎を出し、緑またはやや紫がかった尖った苞葉とともに花をつける。
葉と花穂


間近にみるのは初めてです。最初はこれが花だと思っていました。

5月27日 一番下の様子。中から白い花びらのようなものが少し出てきました。


5月30日 これが花びらのようです。確かに緑またはやや紫がかった苞葉に挟まれています。


6月1日 しっかり出てきました。


6月4日 横から写していると、どうも上の苞葉を中から持ち上げているように見えます。
ちょっとめくってみました。苞葉は、尖っていて少し硬いです。


ちょっと、こわい~・・・というのが印象でした。すぐに元に戻します。
6月6日 あ~こわいもの見たさにめくって・・・いえ、すごい雄しべと雌しべの形状に驚かされます。

6月12日、咲き始めてから、今日で半月あまり。この花も咲き終わりかけています。
この鉢がある玄関前は一番日照時間が短く、日陰になります。葉の数も少なく、標準よりかなり
コンパクトに育ちました。一体どれくらいっだったのか測ってみました。
背丈は、110.5


花の長さは、5cm

葉の長さは、26.5cm 茎から測ると長いもので50cmでした。

おおよそ2分の1サイズで育ったといえます。
アカンサスといえば、葉の部分が、古代ギリシャ建築の柱の上部などに見られる装飾のモチーフとして
使われていることはよく知られています。また調べていて、ギリシャの国花であることを初めて知りました。
『ヨーロッパの文様辞典』p66~67によると
「アカンサスがコリント様式の柱頭装飾になったのには次のような言い伝えがある。コリントスの若い娘が死に
その乳母が墓前に娘の遺品を籠に入れて風雨を防ぐタイルを上にのせて置いたところ、春にに娘の墓から生えた
アカンサスが芽を吹き、籠とタイルを上に押し上げていた。彫刻家カリマコスがそれを見て感動し、柱頭装飾に
用いてコリント様式を作り出したという」
カリマコス(彫刻家)は、前5世紀のギリシャの彫刻家のことです。
その後ローマ、ビザンティン時代に装飾性を強め、レリーフやモザイクの装飾に用いられます。
インドのガンダーラ美術にも取り入れられていきます。
バラの庭で、つい隅みに置かれ、コンパクトに育ったとはいえ、草丈もあり、変わった花形で、
私自身も、一緒に見られた方にも大きなインパクトを与えたアカンサスでした。