今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

長崎山 清水寺(長崎県長崎市鍛冶屋町8-43)

2023年08月12日 | 神社・仏閣
訪問日 令和5年5月25日

長崎山 清水寺
真言宗霊雲寺派の寺院
元和9年(1623年)京都・清水寺の僧・慶順により創建された

山門
石段の途中にある



奇縁氷人石
山門脇にある縁結びの願掛け石
江戸時代、迷子探しや男女の縁結びに役立てたと言われている
左側に「たつぬるかた」(尋ねる方)、右側に「をしゆるかた」(教える方)と刻まれ
結婚を望む人は左に、世話人は右に名前や素性を書いて紙を貼ったと伝えられている



石段(仁王門跡)
本堂に上る石段の最初の踊り場には、かつて左右に仁王門が建立されていた



天保14年(1843年)の大火で仁王門が焼失
現在は礎石だけが残されている



石段横の石仏



中門(石門)
明和8年(1771年)四方田慈輔の寄進により石段の最上段に建てられた
「廣大圓満」の文字が彫られている



長崎の寺院ではいくつかみられるが、全国的には珍しいアーチ型の石門
受付の女性の話しによると今は埋め立てられ建物が多くあるが、昔は寺の前まで海だったそうだ
塩害から護るために石門になったのではないかと説明してくれた






鐘楼



手水舎









本堂(重要文化財)
寛永4年(1627年)に現本堂の前身となる木造懸造の舞台をもつ二重屋根の瓦葺本堂が完成
寛文3年(1663年)の大火で境内の一部が被災した



寛文8年(1668年)本堂再建の造営に福建省出身の帰化唐人、何高材が息子の兆普、兆有とともに着手した
何高材の亡き妻は日本人で、その供養のために再建に尽力したのではないかといわれている



平成17年(2005年)から平成21年(2010年)にかけて解体を伴った修復工事が実施され、文久2年(1862年)当時の姿に復元された



扁額には「慈悲世界」



真言宗寺院の本堂であるが、開放的な構えや細部にみられる中国風の意匠などに黄檗寺院との共通性がみられる
長崎県内に残る密教寺院の本堂としては最も古い



堂内に入る
扁額には寺号の「清水寺」



本堂内部



本尊:千手観音菩薩
開祖である慶順僧都が京都清水寺より奉持してきた
清水型といわれる千ある手の一つが頭上で合掌する姿で、頭上には小如像を掲げている



本堂内陣の中央厨子内に秘仏として祀られる
御開帳は60年に一度と決められているという……まさかと思うが



右側厨子
堂内には本尊千手観音立像のほか、千手観音の眷属である二十八部衆像を安置する



左側厨子



堂外に出る
唐船つなぎ石
唐貿易がさかんだった頃、入港する唐船を接岸する際、この石に綱をつないだといわれている
貿易が終わった後、出島湾岸にあったものが境内へ運ばれ石灯籠として元治元年(1864年)に建立された



灯籠
「文化八年」(1811年)と彫られている



京都清水寺のものを模した石舞台に使われた欄干の一部か



写真右側の欄干が「清水石舞台」



桜(そめいよしの)
樹齢100年以上



石仏



面長な風貌は独特



狛犬






大師堂
貞享3年(1686年)に築造された祖師堂の老朽化に伴い、宝暦10年(1760年)に建立された
木造瓦葺・単層入母屋造・三十三坪の畳敷きの建物






内陣中央に弘法大師を祀った大師堂



慶順僧都を祀った祖師堂



親鸞・阿弥陀如来像と地蔵菩薩像を祀った阿弥陀堂



塔のような建物



内部には金ピカの仏像(如意輪観音か)



石仏群









歌でも歌ってそうな六地蔵尊






巡禮武佐衛門(じゅんれいぶさえもん)像



幼児を背負い妻との巡礼姿を石像にした
西国巡礼も30余度に及び長崎西国巡礼の初めといわれる



櫻姫美人稲荷神社
もとは大師堂の脇に鎮座していた石祠



寛政元(1789)年に武元珍・元儔らが奉納



「石造流見世棚造」という珍しい祠で、明治時代に本堂の南東側の丘の上に移された



稲荷社は慶順僧都の時代から境内に祀られ、江戸時代の神仏混合の名残ともいわれている



祠は平成18年9月の台風13号の暴風で倒れた大木の下敷きになり崩壊。平成21年に復元した



石仏群



仏像の風貌について尋ねると、(考えたこともなかったが)長崎の寺院の多くは帰化唐人の影響を受けていると









頭部、胴体が落ちた石仏






清水寺の受付の女性には親切にして頂いた
車を駐車場に置き、寺巡りをするようにと地図と簡単な道案内もしていただいた



撮影 令和5年5月25日
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