慣れないナビに狭い道ばかり案内され困っていたところ、コンビニで話しかけられたトラックの運転手に通常の道を教えてもらいやっとたどり着いた道の駅「いんない」(大分県)
26 撮影しているカメラについて
写真撮影は数ある趣味の一つであるが、きっかけになったのは50歳を過ぎたときに、ギャンブルばかりしていていいのかと疑問を持ったことだ。
大学時代にはパチンコ、麻雀、就職してからは競馬・競輪・競艇と熱中していたが、特に競馬を覚えてからは財布の中身が消えていくことに不安を覚えていたこともその一因である。
そこで、少しは芸術的なこともやらなければと思い、誰にでもできる写真を選び一眼レフカメラと2本のズームレンズを購入した。このお金はピアニストのアルゲリッジを聴きに別府に行くために貯めていた端数貯金で、仕事が忙しく行くことができなかったためカメラに廻ってきたものである。
初めて訪れた大分県、最初に向かったのは宇佐神宮(国宝)。自宅に帰り歴史を調べることによってその価値を再認識した。この後、別府駅に行くが構内にアルゲリッジ音楽祭の看板があった。
購入したカメラはEOS3というカメラで、手にした感じとシャッター音で決めた。レンズは標準ズームと望遠ズーム、事前に調べることもなくその場で持っていた現金と相談して購入した。購入後は、特に何かを撮ったという記憶もなく、数年後にはデジタルカメラの時代に突入した。
持っているレンズがそのまま使えると知って最初に購入したのはEOS10Dという一眼レフデジタルカメラだ。撮った写真がパソコンやTV画面で視ることができるというのは画期的で夢中になった。その後、EOS20Dが販売されたので迷わず購入した。撮影枚数は格段に増えていったが、記憶メディアのCF(コンパクトフラッシュ)が高価で数枚しか所有することができず、その場で撮ったものを消去して、また撮るといった行動を繰り返していた。数年前の写真を今でも一枚一枚覚えているのは、このような苦労があったためかも知れない。
別府駅で高校時代の友人と再会。写真左は臼杵石仏(国宝)、友人からは写真左の熊野磨崖仏の存在を知らされた。
このような時期に転勤により勤務先が替わった。そこで偶然ではあるが同じカメラを持ち、写真を趣味としている人と出会うことに。それまでは個人で楽しんでいたが、仲間ができ一緒に撮影会にも出かけるようになった。
普通は互いに刺激しあうと技術が向上するのだが、刺激は高価な機材が増えていく方に向けられ、写真を見せ合うということはなかった。今、私の方は、ブログで写真を公開しているが、心の中では、彼の存在がかなり気になるところでもある。
そんな彼が、数年前に発売して間もないEOS5DmarkⅡを購入した。専門誌などでも随分評判がよいだけに、悔しかったが、私には経済力がなくしばらく我慢を強いられた。しかし、数ヶ月後に「競争馬と銀玉」が運を動かしてくれ何とか購入することができた。ギャンブルを止めるためにカメラを購入したのだが、皮肉な結果になってしまった。
この5DⅡは評判通りのカメラで、このカメラ以外はもう必要ないと思い、手持ちのカメラをすべて手放すことにした。とはいっても、いつの間にか増えていったフイルムカメラ4台、デジタルカメラ2台がなくなると急に不安になり、万一の時のためにとEOS50Dを衝動的に購入してしまった。しかし、万一の時がなかなかやってこないため、今もカメラバックのなかに潜んでいて出番がやってこないでいる。
日常持ち歩いているカメラがある。すでに販売は終了しているがCanon S100というコンパクトカメラで写りもよく重宝している。ブログの写真でも時々このカメラで撮ったものを使っている。老眼の私にはモニターを見てシャッターを押すという動作は難しいが、大きさや重さそしてデザインもよく身近にいつも置いている。
昨年秋の2度目の旅行中に例の彼からEOS5DmarkⅢを購入したと連絡が入った。私の5DⅡも使いすぎて時々シャッターも切れず限界かなと思い、購入を考えていただけに、また先をこされてしまい悔しい思いをすることになった。
岐阜県多治見市にある永保寺。この日に彼からカメラを購入したという連絡が入った。右の写真を撮っているとき転倒し自分の体よりカメラを護り擦過傷を負う。そして彼の手には新しいカメラが…。
数ヶ月後、札幌駅のヨドバシカメラに出かけた。5DⅢを手に取り見ていると、Canonの服を着た愛想の良い女性販売員が笑顔で寄ってきて「どうですか」と声をかけてくる。女性の笑顔には弱くこれまでも随分金をつかってきた。数回の会話後「値引きしたら買ってくれますか」と甘い声でささやかれた。表情は冷静を装ってはいたが、心のなかでは「買う、買う」と叫んでいた。
ヨドバシでは値引きはしないと思っていたが、交渉の結果3万円の値引き+キャッシュバック2.5万円+ポイント3万円と思ってもいなかった展開にカメラ本体の金額も考えずに購入してしまった。もちろん、例の彼にも値引き金額を強調して報告。
後日、同じカメラを持ち仲良く二人で「札幌モーターショー」に出かけることになった。
このカメラを購入後、ブログに掲載したのは「雪まつり」「札幌モーターショー」と「冬の芸術の森野外美術館」だが、不慣れのため失敗も多い。
雪像に映し出されたプロジェクションマッピングと雪の中に置かれている作品
ところでギャンブルを止めるためにカメラを購入したのであるが、その後どうなったのか。
結論をいうと掛け金は少なくなったが、相変わらず継続している。逆に掛け金が少なくなることによって、競馬なら競馬本来の楽しみが理解できるようになり楽しみが増してきているような感じがする。
パチンコの方もほぼ毎日仕事に行くようにお店に通い、数時間労働して帰ってくる。仕事だと思うと後ろめたい気持ちもなくなり、日に二度出勤することも、時々発生する時間外労働もまったく気にならない。
というわけで、写真撮影という趣味が一つ増えただけということになる。
次回に続く
次にナビですが、方向音痴の私にとっては無くてはならないものです。北海道ではどの道を案内されても道幅が広いため、困ることはありませんが九州では山道ばかり案内され本当に苦労しました。