今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

妙見山 法輪寺(奈良県生駒郡斑鳩町三井)

2014年01月08日 | 神社・仏閣
斑鳩三塔を巡る旅と称して、数年前の夏に法隆寺・法起寺・法輪寺を訪れた
写真を整理していて気付いたのだが法輪寺の写真が1枚もなかった
法輪寺の三重塔が落雷で焼失し再建されたものに落胆し「価値がない」と当時は思っていたためだったと思う

法輪寺
法輪寺は斑鳩の里でも北方にあり、土地の名によって三井寺(みいでら)ともよばれている
三井の地名は古く、聖徳太子が飛鳥の里より三つの井戸をこの地に移したところから起こったと伝えている

表門
表門の左側には再建された三重塔の上の部分が見える






三重塔
当時国宝の三重塔は、昭和19年(1944)7月、落雷で焼失、全焼のため国宝指定も解除された



独力の再建となり住職が二代にわたり全国勧進行脚したが、再建は困難を極め、停滞した



地元の方々、作家の幸田文をはじめ全国の方々の支援で、宮大工 西岡常一棟梁のもと、昭和50年3月、三重塔は創建当初の様式にて竣工し、同年11月、落慶法要が勤修された



このような歴史や多くの人の思いも知らず、新しいから「価値がない」と決めつけた自分が本当に恥ずかしい
数枚の写真ではあるが心を込めて撮った



金堂
江戸正保2年(1645)の台風で堂宇が倒壊してしまった後、三重塔が修復された宝暦10年(1760)の翌年に再建されたもの



本尊の薬師如来の他、主だった仏像を安置していたが、老朽が進み、収蔵庫に移している



昭和25年の発掘調査により、旧金堂の位置を踏襲しながら、旧金堂よりひとまわり小さくなっていることがわかった



鐘楼
 





講堂(収蔵庫)
金堂と同時期に再建された江戸時代の小さな講堂を、昭和35年に耐火耐震の鉄筋コンクリートの収蔵庫として建てなおした
規模は縮小されているが、旧講堂の位置に建てられている



本尊の薬師如来をはじめ七体の仏像を安置し、出土瓦、伽藍図や塔の模型などを公開している
貴重な仏像が多く、それらを間近で観ることができるし、ここでは後ろ姿も観ることができる。床に座って観るのもいい



妙見堂
秘仏の妙見菩薩立像を祀り、一年の除災招福と諸願成就を祈願する節分の日の星祭りや、毎月の護摩供などを行なう、行(ぎょう)のためのお堂



地蔵堂
江戸時代の建物、鎌倉時代末の石造りの地蔵を祀っている
8月24日の地蔵盆には、三井集落の方々がここで御詠歌を上げ、数珠繰り(大きな数珠を参加者が輪になって繰る)をするほか、小豆を甘く煮たものを柿の葉に載せて供える習慣が残っている






西門(奈良県指定文化財)
上土門(あげつちもん)の数少ない遺構のひとつ
上土門は絵巻物などに多く描かれ、かつては武家の邸宅や寺院などに盛んに造られたが、現在では、この門のほかには、法隆寺西園院上土門が残るだけになっている



会津八一歌碑
歌集『鹿鳴集』に、当寺十一面観音菩薩を詠んだ歌



くわんのん の しろき ひたひ に やうらくの
 かげ うごかして かぜ わたる みゆ


法輪寺最後の一枚は、表門から出た所から見える五重塔




 撮影 平成25年11月17日

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