授業中の課題に対し,答えや自分の考えをノートに書かせました。
次はそれを発表させます。
ノートの書いたことで,「発表してみようかな」という自信をもちだした表情も見えます。
積極的な子であれば,このあとには「はい!」と,元気よく手を挙げるでしょう。
しかし,まだそうなれない子もいます。
ノートには書けたけど,もう一歩発表するために踏み出せない。
みんなの前で,自分の考えが記されているノートを読み上げる。
これは結構度胸のいることと感じる子も多いでしょう。
しかし,答えは書けている。
発表したいな…という気持ちも芽生えだしている。
こんな子たちを無視して,毎度元気よく手を挙げるおなじみの子たちばかりを発表させるのは,やはり考え直した方がいいですよね。
どうにかして,もう一歩自信がもてない子たちに,自ら発表できるようになってほしい。
そのためには,より発表しやすい環境をつくっていってあげることです。
それも,小さなステップを踏ませることで,自信をつけさせましょう。
書けた子は,まずとなりの子に向けて発表させる!
これを経験させてあげましょう。
いきなりクラスメイト全員の前では大変だと感じるなら,となりの一人のお友だちに発表させてあげるのです。
発表の,スモールステップです。
こうすれば,いつもとなりにいるお友だちに対してだけになるから,気軽に発表できるでしょう。
しかも,クラスが30人いれば,一回に15人もの子が発表できるわけです。
「はい,じゃあ次は交代」
とすれば,クラス30人全員が発表することができます。
聴かせる相手は少ないですが,これも見事な「発表」です。
このスモールステップを経験することで,子どもたちは全体に向けて発表するための「リハーサル」のようなことをすることができます。
もし,このリハーサルで,相手が「いいね,その意見」とほめてくれたりすれば,より自信がつきます。
だから,わざとらしいけど言っておきます。
「お隣さんが発表できたら,聴いてあげた人は,一言ほめてあげられると優しいですね。よく書けたね,なるほど,とかね。」
こんなリアクションがあると,
「やった。もっと多くの人に発表してみたいな」
とやる気が出てくることでしょう。
賢いおとなりさんが「今の意見で,ここは~としたほうがいいかもね。」なんてアドバイスしてくれたら,なお助かることになります。
結果,クラス全体が発表の機会を経験すると同時に,発表に対する気持ちも,発表しようとする内容も,より高まっていくことが期待できます。