図工の工作を進めていると,ひかりさんが先生の所に自分の作品をもってきて,聞きました。
「先生,タイヤをつけるには,この箱のどこに穴を開けるといいですか?」
「ここと,こことにあけると,うまく回るタイヤができるよね。」
「あ,ここか。ありがとうございます。」
すぐに,こうたくんもやってきました。
「先生,タイヤの穴はどこ?」
「ここと,ここだよ。」
「えー,ここか!」
またすぐに,あゆみさんがやってきました。
「先生,タイヤをつける穴って…」
「だからー,こことここよ。なんで分かんないかなー」
同じことを3人も続けて質問してきました。
こんなときは「なんで分かんないかなー」じゃなくて,
同じことを3人が質問してきたら,確実に全体指導が必要!
だと思います。
要するに,その部分については,クラスの多くの子が理解できていない可能性大だということです。
放っておくと,きっとこのあともっとたくさんの子が同じ質問に来るでしょう。
もしくは,分かっていないまま工作を進めて,失敗する子が続出するかもしれません。
その前に,先生が全体指導をするべきです。
「みんな,作業の手を一旦止めて,先生の説明を聴きます。顔を上げなさい。」
と,確実に聴かせます。
「タイヤの付け方で困っている人が多いようですね。本体の箱の,こことここに,穴をあけます。あなたの箱の,ここと,ここを,指で押さえてごらん。」
もちろん図工に限りません。
・テストをしていて,「この問題の意味が分からない」と聞いてくる。
・「今朝の全校体育の,集合場所が分からない」と聞いてくる。
いろんな場面が考えられると思います。
先生が「できて当たり前」と思っていただけで,子どもたちにはできないことだったのかもしれません。
または,「事前に説明したから大丈夫」と思っていただけで,その説明がうまくいってなかったのかもしれません。
どちらにしろ,同じ質問に子どもが来たら,「3人」ぐらいが目安だと思います。
始めに来てくれた3人が,クラスの実態を教えてくれたということですね。