小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

「高学年女子グループ vs 先生」 先生に勝ち目は!? 

2010-07-24 11:41:57 | 「教師-子ども」関係の攻略法

やっかいなのは,気難しい高学年の女子たちがグループをつくってしまっている場合です。

というか,ほとんどの場合,高学年の女子たちはグループを作ります。

「所属欲」が大変強いのも,この頃の特徴の一つでしょう。

ただの仲良しグループならば放っておいてもいいのですが,このグループが進んでいるベクトルが良くない方へと向かっていることもあります。

危ないエネルギーでいっぱいの,パワフルなグループです。

さて,こういった女子グループへは,先生はどう接すればよいのでしょうか。

今回ばかりは,こうしましょう。

グループには深く立ち入らない!

それが一番かと。

はっきり言って,そのグループを解散させようとか,他の仲間も広く取り込ませようとか,先生の言うことに従ってほしいとかいうねらいで,そのグループに立ち入ろうとしても,ほとんど効果は見込めません。

効果が見込めないどころか,自分たちの輪を乱そうとする先生に,猛烈に反発してくる可能性大です。

こうなった場合,先生がどんなに正しいことを言っていても,誠実さをもっていても,女の子たちには届きにくいのです。

理屈ではなく,そういうものなのです。

だから,深く立ち入らないのが一番です。

しかし,この「立ち入らない」にも程度があります。

目の前で悪さをしようとしているグループを放ったらかしておくことは許されません。

必要以上に「深くは」立ち入らないことです。

つまり,先生はそのグループが最低限のライン(絶対にしてはいけない行為の基準)を踏み外さないよう見届けるような役に徹してはどうでしょうか。

そのラインを越えようとしたときは,先生の全力をもって制すべきですが,普段は,それがないように,少し遠くから見守るという役目を担います。

この「見守る」ときに大事なことは,グループが絶対にしてはいけない行為を,そのグループに指導するのではなく,やはり学級全体に指導し続けることでしょう。

もちろん,そのグループを名指しで指導してはいけません。何気なく,そのグループに,はっと思わせるような指導を全体にするのです。

言葉は全体に届けて,本心はそのグループに向けます。

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そういった形で,常にグループの動静に気を配りながら,遠くから指導しましょう。

もちろん,その指導を受け入れている様子があれば,そのグループの個々の女の子たちをほめてあげることは忘れずに

そういった具合に距離を置きながらほどほどな関係を保ち,何もトラブルがない日が続けば,自然とそのグループも時間や環境にまぎれて自浄されていくものです。それを気長に待ちましょう。

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落ち着いて黒板に字が書けない!

2010-07-22 18:03:31 | 授業中の攻略法

板書について今日は考えてみましょう。

駆け出しのころ,板書をするたびにドギマギしていました。

子どもたちを背にする不安感。

自分の字の形に自信がない。

今,板書している内容に自信がない。

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力のない自分の,力のない板書が,どうも苦手でした。

授業の数をこなすうちに,経験からいろいろと学ぶうちに,そういったドギマギも少しずつなくなってはきましたが。

以前は,板書で字を書くスピードでさえ,どれくらいのスピードで書いたらよいのか分からず,不安定でした。

ゆっくり,きれいに書きたいけど,その時間に子どもがざわつきだしそうな…

素早く書いて授業を進めたいけど,そうすると,まぁ字が雑…

黒板に字を一つ書くのにしろ,難しいもんだと,実感するものでした。

でも,このことについては,ある先輩の研究授業から学びました。

結論

板書で字を書くスピードは,子どものノートのとり方と合わせて書く!

ということでした。

もちろん「板書」などとテーマをうった研究授業ではなく,私が勝手に自分の中で研究したものですが(笑)

基本,その先生は,ゆっくりと字を書きました。

とてもゆーっっくりでした。

まるで,子どもがじっくりと字の練習をするように。

そして,その字を書いている間,子どもたちはというと,じーっとその字に,書いている先生に見とれていました。

先生が背を向けているからといって騒ぎ出すようなレベルではありません。

板書にくぎ付けなのです。

その間,なにか心地よい落ち着いた雰囲気がクラスにはできます。

私には経験したことのない不思議な時間でした。

そして,先生がある程度書き進めると,先生の指示に合わせて,子どもたちもノートを写します。

言うまでもなく,先生と同じように,ゆっくりと,丁寧に。

子どもたちが見とれて,書き方まで真似をするような板書ができるようになるまで,これは相当な腕を磨く必要があると思いました。

そして授業は進み,今度はテンポよく子どもたちがどんどん発表するような場面になりました。

すると,今度は板書のスピードも上がりました。

先生は子どもたちの言葉を拾いながら,丁寧さよりも速さを重視して,どんどん板書していきます。

それに合わせて,子どもたちもどんどんノートをとっていきます。

さっきのゆっくりとした板書とは対照的です。

とてもおもしろいと感じました。

その先生が意図的にしているのか,無意識にしているのかは分かりませんでしたが,板書が授業のリズムをつくり,板書が子どもたちの見本となっていました。

子どもたちに,その字をどう見てもらいたいか。

その字をどうノートに写してもらいたいか。

もっと広く考えれば,今している板書は,今日の授業全体の中でどんな位置づけにあるのか。

それを先生がしっかりと認識した上で,板書しています。

それを受けて,書くスピードに変化が出てきます。

「先生が書く字は,みんなの手本だよ。先生が書くように,みんなもノートを書きなさい。」

そんな指導を浸透させた授業を,私もできるようになりたいです。


忘れ物対処システム!

2010-07-21 07:37:54 | 学級生活の攻略法

例えば,ゆかりさんが「算数の教科書を忘れてしまいました。」

さあ,このあと3時間目は算数です。もちろん教科書が必要です。

どうしましょうか?

1 「忘れたのだから,その罰として教科書なしで授業を受けさせる」

2 「先生に借りに来させる」

3 「友だちに相談させる」

4 「他のクラスに借りにいかせる」

5 「家へ取りに行かせる」

考えられるのはこの5パターンくらいでしょうか。

忘れ物というミスをしてしまったゆかりさんへの処置として適切なものはどれでしょうか。

まず,してはいけない処置としては…

× 「忘れたのだから,その罰として教科書なしで授業を受けさせる」

どんな状況であろうと,きちんとした学習を全員に保障することが学校が役割です。これはいけない。

× 「家へ取りに行かせる」

こんなことをさせる先生はほぼいないと思いますが,これは危険です。何かあったときは大変です。

× 「他のクラスに借りにいかせる」

これは考えられる手かもしれませんが,忘れ物という個人的な問題は,やはりクラスの中で対処しましょう。他のクラスに迷惑をかける,恥ずかしい姿を見せるのはやめましょう。

とすると,考えられるのは

忘れ物には,「友だちに相談させる」→「先生に借りに来させる」

という方法です。

この2つの方法には,→で順序性をつけました。

たまの忘れ物,その子にとっては,うっかりとした珍しい忘れ物の場合は,友だちに相談させてはどうでしょうか。

この場合,教科書を見せてもらうくらい,隣の席の友だちが「いいよ,一緒に見よう」と許してくれるかもしれません。

その友だちには迷惑をかけてしまいますが,そこはクラスメイトです。友だちにも少し自分の身を削って助ける経験をさせてもいいし,ゆかりさんにも,助けてもらって申し訳ない,ありがたいという経験をさせてもいいと思います。

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実社会においても,自分が忘れ物などのミスをしたら,このようにそばにいる誰かに助けてもらうことが一番多いでしょう。

次に2つ目の方法です。

たまの忘れ物でなく,忘れ物が多い子の場合です。

これは,隣の子にまた教科書を見せてもらうのは,さすがに友だちもストレスです。

見せてもらう方も甘えすぎです。

そういった子には,「先生の所へ来なさい」と指示しましょう。

そして「すみません,貸してください」と,自分でお願いさせましょう。

厳しい顔で「忘れ物が多いようですね。まだ続くようなら,先生も考えますよ。」ぐらい,短く,厳しく一言をそえて,教科書を貸してあげましょう。

これは,隣の友だちが見せてくれる優しさも感じられるず,先生が怒っていることを感じますから,痛いはずです。

※このとき,決して「きみはもう何回目…」などと,長々と説教しません。忘れ物ごときでいらぬ時間と神経を使わないようにしましょう。

このように,忘れ物をした子にも学習を確実に保障しつつ,その程度に応じた処置のしかたをするようにしましょう。

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終業式の日に必ず見かける,笑えちゃう光景

2010-07-20 18:19:18 | 学級生活の攻略法

1学期の終業式が終わり,無事に夏休みがスタートしました!

いや~ 待ってました!この日を!

今日は,初めて通知表をもらう1年生の子たちを,みんな高い高いをしてあげました。

「1学期,よくがんばったね!夏休みも元気でね!」

さて

子どもたちを校門で見送っていると,この日に必ず見かける「笑えちゃう光景」を,今年も目にしました。

2年生の女の子でした。

まず,両手で引き出しを持ち,その中には算数セットとうわぐつ,体育館シューズなどもろもろ。

それらを持ったままの右手で鍵盤ハーモニカと忘れていた傘。

一方の左手で鉢の支柱と,図工の作品「箱のロボット」

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それらを運ぶその子の顔はもう必死です。

背中をぐっとそらせて,がんばって運ぶのですが,あまりに量が多すぎて,ぽろぽろと一つずつ落としてしまいます。

がんばって一つ拾うと,また別の一つを落としてしまいます。

それを何度か繰り返して

「もう無理」

天を仰いでいました(笑)

遠くから笑っているだけではかわそうでしたので,近寄って手助けをしてあげました。

なんとか荷物をまとめて,手で持てるようにすると「ありがとうございます」と,また歯を食いしばって歩き始めました。

「荷物は早めに持ち帰りなさい」子どもたちに言いはするのですが,この時期,いつも思います。

単に「早目に持ち帰る」でなく,「いつ何を持ち帰る」をはっきりとする!

その方が親切ですね。

「早めに持ち帰りなさい」という言葉かけで,しっかりした子は,先を見通して,計算して,計画的に荷物を持ち帰るのでしょうが,それができない子も多いですよね。

特に低学年は,「あと何日で終業式」「持ち帰らないといけない荷物の量があとどれだけ」なんてことはイメージができません。

だから,先生が決めましょう。

「今日は絵の具を持ち帰りなさい」

「明日は図工の作品を持ち帰ります。袋を持っておいで」

「今週のうちに,アサガオの鉢をおうちの人に取りに来てもらいましょう」

その指示をだしたら,それはクラス全員に例外なく実行させます。

「えぇ~!先生,明日でいい?」

には,断固「だめ!今日持って帰るの!」と,譲りません。

その日はつらくても,後の方になって,ひいひい言いながらまとめて持って帰っている友だちを見ると,その子も「あぁ,先生に言われて早めに持って帰ってよかったぁ」って,思うものです。

終業式の2週間前ぐらいから,天気がいい日,子どもたちの荷物が少ない日を見計らって,「今日はこれを持ち帰る!」の指示を出してあげましょう。

そうして,終業式の日はできるだけ身軽に帰らせてあげましょう。


この責任は保護者?先生?

2010-07-19 19:41:29 | 保護者への攻略法

みなさま,3連休はいかがおすごしですか?

いよいよ1学期も終わり,夏休みに入りますね。

「いつも夏休みをめざして仕事をしてるの!」という先輩先生の格言も聞いたことがあります。(笑)

本校でも残すは終業式1日のみ。

さて

クラスにたろうくんというやんちゃものがいたとします。

元気でパワフルというだけでなく,友だちとのけんかも絶えません。

今日も,ゆうきくんとけんかをしてしまいました。

今日のは厄介なことに,たろうくんがゆうきくんにけがをさせてしまいました。

先生は,二人を呼び出し,厳しい指導をしました。

特に,相手にけがをさせてしまったたろうくんは,こっぴどく叱りました。

たろうくんも,どうやら反省し,目には涙も浮かべています。

明日から,少しは態度を改めてくれるかな…

次の日。

ともみさん「せんせい~!たろうくんが,さとしくんを泣かしちゃった!」

せんせい「・・・・(たろうめ!)」

今日は,さすがに保護者に連絡です。

(昨日もあれほど言ったのに,たろうときたら…!)

さあ,保護者になんと伝えましょうか。

「おうちでも言って聞かせてください!」と,強い口調で言ってやりましょうか。

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いえいえ,

学校で起きたトラブルに関しては,すべて先生が責任を負う姿勢をもつ!

だから,電話連絡では

「昨日もけんかがあった際にできるだけの指導をしたつもりでしたが,今日も同じようなことが起きてしまいました。私の指導が行き届かず,大変申し訳ありません。」

と伝えたいですね。

学校で起きてしまった,起こさせてしまったトラブルについては,現場監督責任者である先生が責任をとるべきだということです。

その子のせいではありません。

その子の親のせいでもありません。

先生の力不足。

そう認識するべきではないでしょうか。

実際はそれだけではないこともあるかもしれませんが,少なくとも先生は,そういう認識をもっておきたいです。

そういう先生こそ頼りになるし,次のトラブルを食い止める力を持てる人だと思います。

そういう信頼感は,保護者にも,子どもにも伝わるものです。

そして,それが伝わったら,「お願いします」なんて言わなくても,保護者の方も先生の努力に協力的になってくれるのではないでしょうか。

もし,先生が

(たろうくんがトラブルばかり起こすのは,その子の人間性が問題だからだ。それは家庭でのしつけによるものだ。)

という考え方をしてしまっていたら,きっと,保護者への電話の内容も変わってくるでしょう。

頼りない先生だと,受け取られても仕方ありません。