A Little Taste/Johnny 'Hammond' Smith
(Riverside RM496)
オルガンはほとんど対象外としているリスナーも結構おられると思いますが,管理人は時々思いついたように聴きたくなるときがあるのです。この楽器が入ると,途端に黒くなりアーシー,ファンキー,グルービー,ソウルフルな味わいになりますよね。もちろん筆頭,パイオニア、開祖であるジミー・スミスの素晴らしさはサイドメンを含めて聴き応え充分ですが、脇を固めるいわゆるコテコテオルガニストも捨て難い味わいがあります。こんな味わいこそをタイトルにしたのかどうかは要る由も無いですが,本日は"A Little Taste"と題されたJohnny 'Hammond' Smithのリバーサイド盤をアップいたします。
メンバーに知名度ではやや落ちる2管を配しており、ソウルフルでアーシーなプレイのHouston Pearson(ts)と行きの良いVirgil Jones(tp)が大活躍します。オルガンジャズ盤には鉄板的なギタリストがおらず,スミスのオルガンとLuis Taylor(ds)からなるカルテット演奏です。A面ではシルバーの"Nica's Dream"がいいですね。お馴染みのテーマからVirgilのラッパがミッチェル真っ青の好ソロが聴けます。A-2の"Cleopatra And The African Knights"のエキゾチックなムードも好みです、B面ではB-2のバラード”Eloise"が聴きものです。スミスのロングトーンを生かしたバラードプレイはアルバムのハイライトだと思います。
リバーサイド末期の録音,ターコイズラベルのモノ盤です。ややスミスの音が遠く聞こえるのが残念ですね。リバーサイド録音は長期に契約状態にあったプレステッジエラの間に位置しますが,この後プレステッジに戻るとよりファンク色を増して来ます。スミスのストレートアヘッドなオルガンジャズが聴ける最後のアルバムかも知れませんね。