Into Something/Yusef Lateef
(New Jazz NJLP8272)
プレステッジ最初の傍系レーベル、ニュージャズは最初は本家の非発表録音をリリースする格好で発足したレーベルですが,ドルフィをはじめとした新しい感覚のジャズを精力的にリリースしたと言う点ではとても重要です。本日アップの,ユセフ・ラティーフ盤もそうですが,マイナーなプレイヤーの録音も多く,白い背景にモノクロ写真を中央下部に配したジャケットデザインが十八番です。ジャズ批評のプレステッジブックとかを参照していただくと8263のマクリーンから8274のディジー・リースまで同じタイプのジャケが続くことに気付かれると思います。このラティーフ盤もこの一連の流れの中でリリースされたものです。
メンバーはYusef Lateef(ts, fl, oboe), Barry Harris(p), Herman Wright(b), Elvin Jones(ds)のワンホーンカルテットです。例によってラティーフは曲によって楽器を換えながらプレイして行きます。A-1のoboeによるブルース”Rasheed"は息子に捧げたブルースです。こういう曲でのハリスのプレイは最高にブルージーですよね。テナーでプレイするA-2"When You're Smiling", A-4"You've Changed", フルートで勝負するB-1"I'll Remember April"のスタンダードの解釈にもマルチプレイヤーならではの卓越した技量を感じますね。ハリスは終始リリカルにプレイしていますし,「四月の想い出」でのエルビンのラテンリズムのドラミングも捨て難くなかなか聴きどころが多い一枚だと言えるのではないでしょうか?
所有盤はパーブルレーベル,両溝のニュージャズ、モノラルオリジナル盤です。