2 Trumpets/Art Farmer and Donald Byrd
(Prestige 7062, jp.reissue)
ジャズではコンボの中に同じ楽器奏者が2人いて,対決するかのような熱いプレイを展開する企画がありますよね。バトルと言う呼称で知られていますが,多くはテナーサックスのプレイヤーのセッションが多いことは衆知の通りです。トランペットのバトルと言うのはそんなに頻繁に企画されることはありませんよね。カンドリブラザーズというチームもありますが,他に思いつくような組み合わせはありません。一方,プレステッジは7000番台のはじめに特にリーダーを定めないブローイングセッションを録音、リリースしています。バトルと言っていいのかわかりませんが,本日アップの"2 trumpets"もこういったブローイングセッションの一つと考えてもいいのかも知れません。
しかし,このジャケを見ると明らかに2人のトランペット奏者にスポットが当てられておりバトルという見方もあながち間違いではないでしょう。メンバーはArt Farmer, Donald Byrd(tp), Jackie McLean(as), Barry Harris(p), Doug Watkins(b), Arthur Taylor(ds)のセクステットです。Farmerには"When Your Lover Has Gone" Byrdに“Round Midnight"のスタンダードがフィーチャーナンバーにされており両者の唄心を充分に楽しむことができます。残りのA-1"The Third", A-2"Contour", B-1"Dig"の3曲はマクリーン,ハリスと言った当時の新進気鋭のプレイヤーの溌剌とした演奏がおさめられています。特に,"Dig"でのファーマーとバードは4バースになると区別がつかないほどです。一聴あれ!
所有盤はビクター音産の1500円廉価盤です。オリジナルは超高価でてがでません。一回見たら忘れない”2”をあしらったジャケのインパクトは強烈ですよね。