67camper's Blog

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「Mechanical Man」と評されたデフランコ

2007-01-17 01:06:02 | jazz & vocal
Buddy De Franco and the Oscar Peterson Quartet
(Verve MGV-8210)


 1956年ダウンビートのインタビューでデフランコは"the mechanical man of Jazz"と評され燃えたと言います。彼のプレイが,何となくよそよそしくエモーションに欠けると評され,emotionについてプロの助けを借りようと精神科的治療を受けたと言います。彼のテクニック重視の奏法,スタイルがこういったメカニカルと言う論評を呼んだのでしょう。確かに急速調で高音域ばかりのフレーズの多用は聴き手に疲労感すら与える事もありますよね。この点,グッドマンなどのゆったりとしたウォームな低音域をふんだんに使ったプレイは同じ楽器でも落ち着いたイメージを与えます。テクニカルには優秀なのでしょうが,今ひとつメジャー(充分メジャーか?)になりきれないのはこう言った点かななんて思います。

 前記の話は本日アップのアルバムにナット・ヘントフが書いたものですが,それの答えがこのアルバムという事になるのでしょうねぇ?・・・。メンバーはデフランコとピーターソン,ハーブ・エリス,レイ・ブラウン,ルイ・ベルソンのOPレギュラーカルテットとの共演です。A面は"Sweet and Lovely", "Fascinatin' Rhythm", "Love for Sale",B面が"Easy to Love", "Pick Yourself Up", "They Can't Take That Away From Me"の計6曲です。個人的には、B面のややテンポを押さえた"Easy to Love"や"They Can't Take That Away From Me"が聴きやすくemotionを感じますが、アップテンポではやはり彼のメカニカルでクールな印象は拭えませんね。好き嫌いはあるでしょうが,やはりこれが彼のスタイルなのでしょうね。

 VERVEのMGMモノラル盤でT字センターラベルです。ブルーグレーのカバーは秀逸で,この時代のVerveならではのグッドカバーです。


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10 コメント

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メカニカル (swan)
2007-01-17 06:41:05
おはようございます。

B・デフランコって意外に聴かれていないかもしれませんねー。T・スコットもそうだしクラがどうも苦手な人多いんでしょうか?自分も大好きとはいえないまでもたまに聴くとそれなりに和みます(笑)メカニカルというのはMr.Clarinetなんかの急速ナンバーにいえることでしょうかねえ?自分は以前camperさんもアップされていたPlays Benny Goodmanとかソニクラの入ったCookin The Bluesとかの比較的穏やか?なアルバムが好きです。

それにしてもご紹介盤のジャケットデザイン良いですね!
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デフランコは大好き! (サイケおやじ)
2007-01-17 06:43:57
デフランコの人気の無さは、異常とも思えます。
まあ、アメリカで一番人気があるクラリネットはアーティ・ショウかもしれませんが、それも分かるような気がしています。

デフランコの凄いところは、オクターブキーの操作が難しいクラリネットで、パーカーフレーズを吹いているところです。あのウネリを出すエアタンギングも凄いと思いますねぇ。

ただし日本人の感覚からして、クラリネットでタメのあるファンキーハードバップをやると、チンドン屋に聞こえるのが、いやはやなんとも……。

そう思うと、デフランコがハードバップをやらなかったのが、勝手に理解出来るのですが……。

ちなみにこのアルバムも愛聴していますよ♪
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急速調 (67camper)
2007-01-17 10:25:20
swanさん、コメント有り難うございます。
急速調のデフランコ、体調悪いとダメですね。
やはり楽器のせいですね。テナーならそんな感じは余り持たないのですが高音楽器の宿命かもしれません。違うかもわかりませんが、ソプラノサックスでも同じような感覚がありますね。
自分はゆったりとした、クラリネットは決して嫌いじゃないんですが・・・
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underrated!!! (67camper)
2007-01-17 10:38:44
サイケおやじさん、コメント有り難うございます。
アメリカでもデフランコはunderratedなのでしょうか?
日本人のジャズファンはやはりファンキーが好きですから、中間派、スウィング系の楽器であるクラリネットは人気薄なのでしょうね。
さすがサイケおやじさん、テクニカルな所まで良く聞き込んでおられますね!
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emotion (久保田豊秋)
2007-01-17 23:31:44
私はエモーショナル派です。
少々下手でもヘタウマと好意的に解釈するぐらいです。
間の良さと情緒、味わい深さ、コレですね(笑)

確かにデフランコは過小評価かもしれません。
聴いてて、メカニカルに突っ走られると、置き去りされたような寂しさを時々感じますが。。(謎)

急速調、ハイテンションなものは若い頃には好きでしたが、
むしろ最近は安らぎを求めるようになりました。
疲れているのかもしれません(笑)

ちなみにクラリネットも抵抗なく楽しめるようになりました。
スウィング系突入も間近です!
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エモーション (67camper)
2007-01-18 04:26:07
久保田さん,コメントありがとうございます。
デフランコがテクニカルに優れているのは,万人が認めるのでしょうが,多くの聴き手はテクニックにはさほど関心がないのでしょうね。多分,音色とか間とかそう言った部分を含めてのトータルでの心地よさを求めているからなのでしょう。ベイシー、ジャマル,モンクなどの”間”の感覚が絶妙だったりするところにうっとりしてしまうのが多くのオーディエンスなのでしょう。一方,高い精神性に裏付けされた急速調の演奏が絶賛されたりする場合もあったりで、エモーションって一体なんだろうって思ってしまいますね。人間の感性って複雑すぎて,とても文章に出来ません。書いてて余計にわからなくなりました。
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Unknown (bassclef)
2007-01-18 09:54:37
67camperさん、こんちわ。
いやあ・・・このVERVE盤、いいですね。このジャケットも初めてみたような気がします。8200番代に入ってますので、クレフとかの再発ではないようですね。いい曲が入ってるし、ぜひこれは聴かねば!
それにしても・・・実にいい色合いだあ!ブルーグレイという色ですか。ジャズのレコードに、よくもまあこんな色を使おうと思いつくものですね。しかもそれがピタッとはまっている。素晴らしい!
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OPとの共演 (67camper)
2007-01-18 20:32:04
bassclefさん,コメントありがとうございます。クレフ、ノーグランの再発かどうか、本当に難しいですね。8200番台だと再発ではない、この辺りの根拠をまた教えてください。

自分が思うに,デフランコとOPの共演ってありそうでないような気がしています。自分のライブラリに数枚のデフランコ盤があるのですが、これとgershwin songbook(R.Garciaのオケ入り)しかないのです。あとは有名な,ソニクラ,ドリュー,ジミー・ロウルズ,アービン・ガーナー、カール・パーキンスなどですよね。
他にもあると思いますが、OPとの共演は以外にないのかな???
また、コメントくださいね。
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Unknown (bassclef)
2007-01-18 21:16:09
camperさん、またおじゃまします。Verveは僕もそれほど詳しくないのです。それでいつも例のVerve Discographyhttp://www.jazzdisco.org/verve/index.ja.html
のお世話になるのですが、それを仔細にみてみると・・・Norgran,Clefと同内容の再発ものは、
8000番代、8100番代と、8200番大に入ってすぐくらいまでのタイトル(約200枚ちょっとか)に集中しているようなのです。だから「根拠」まではいかないのですが(笑)
感じとしては、camperさん紹介のこの盤(8210番)は、まだ「トランペット」か「T字:Verve Inc.long play」ラベルが1stかもしれませんね。
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クレフ&ノーグラン (67camper)
2007-01-18 21:48:25
bassclefさん,早速の回答ありがとうございます。
clef, norgranの再発にはやられっぱなしですが,やはりverve系が好きなんですよね。8200番が目安なのですね。
頭にインプットしておきます。

カバーが魅力的ですので、もし同内容でもいいや見たいな乗りでcollectionしてしまうのですよ。(笑)
このへんが病気ですよね。
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