Stan "The Man" Turrentine/Stanley Turrentine
(Time ULS-1808-V Jp.reissue)
アーシーな味わいのテナー奏者タレンタインのプレイは同年代のウェイン・ショーターやジョー・ヘン,アーチー・シェップ,アルバート・アイラーなどフリージャズ,新主流派などと呼ばれるテナー奏者とは一線を画した存在であり、むしろ伝統的なホーキンス路線のスタイルにファンキーでソウルフルな味わいを加味したプレイが印象的です。個人的には奥方シャーリー・スコットとのアルバムやギターのケニー・バレルのミッドナイトブルーでのブルージーなサックスプレイが頭にこびりついておりフェイバライトテナープレイヤーの一人です。本日は,マイナーレーベル,タイムに吹き込まれたスタンレイのワンホーンアルバムをアップしますね。
スタンレイについてはこのぐらいにして,ここでは主役を支える,いや完全に主役を食っている2人の名ピアニストに注目です。有名なブッカー・リトルのタイム盤というのがありますが、この盤ではケリーとトミフラでしたよね。そしてこのスタンレイ盤ではソニクラとトミフラが活躍します。この3人,ハードバップを代表する3人ですよね。ソニクラとケリー,ここでもぶつかってて,ジャズファンとしては常にライバル視(本人達は恐らくそんな気はまるでなかったと思うのですが・・・)してしまう感じがします。日本のジャズメディアやファンのクチコミで広がったであろうバトルですよね。やや端正なトミフラと独特の粘りのあるサウンドとフレーズが特徴のソニクラ、両者ともスウィンギーで申し分なしですね。ベースはGeorge Duvivier、ドラムはMax Roach、ソニクラのタイム盤のトリオと同じ編成です。悪い訳ないよね。
所有盤はテイチクの1800円、廉価盤です。収録曲は割愛しましたが2人のこのジャズそのものというピアノが聴ければ充分ですね。楽しめますよ!
やはりこの時代のソニクラ、トミフラ、ケリーは格別です。駄盤を名盤に換えてしまう不思議な魅力は彼らならではですね。スタンレーのプレイはBNやprestigeではオルガン入りが目立ちかなりアーシーな印象です。このアルバムで端正なプレイに終始したのもこのリズムセクションの不思議な魅力に寄るものかも知れませんね。