【 ほんまもんの京都 葉月 】
芙蓉の花と美濃吉本店竹茂楼の鰻付京懐石
行程は JR広島駅(新幹線8:35) = JR京都駅(10:16) = 法輪寺(だるま寺) = 美濃吉本店竹茂楼(昼懐石) = 細見美術館 = 平安神宮 = 京扇子白竹堂 =
JR京都駅(18:10) = JR広島駅(19:55)
ひろでん中国新聞旅行が企画の8月の日帰りツアーです
朝夕は大分涼しくなってきたようですので夏の京都も良かろうと家人と出掛けました
八条口からツアーBUSで30分足らずで最初の観光スポットに着きました
■法輪寺 - だるま寺
京都府京都市上京区下ノ下立売通紙屋川東入
臨済宗妙心寺派の寺院
嵐山の中腹に在る“十三まいり”で知られる法輪寺(通称 嵯峨の虚空蔵さん)とは違い
きょう訪れたのは通称だるま寺として知られている法輪寺です
享保12年(1727年)に大愚和尚が開山 本尊は釈迦如来
三国随一と言われる起き上がりの達磨をはじめ 諸願成就に奉納された8,000体に及ぶ達磨を祀る達磨堂はとくに有名でしょう
“十二支干支達磨大師”の像が境内にあり 達磨大師坐像を囲み十二支が安置されています
動物愛護の願いから寄進されたものだそうですが 動物の納骨安置所にもなっている動物愛護塔なのです
また 本堂には約400人の日本映画創業以来の関係者が祀られているキネマ(貴寧磨)殿があるそうですが よく分かりませんでした
中国禅宗の始祖達磨が嵩山(すうざん)少林寺で壁に向かって9年間座して悟りをひらいたと言う いわゆる「 面壁九年 」の故事に因んでその座禅姿をうつした人形が“達磨”です
赤い着物姿で手足がなく底を重くして倒れても直ぐ起き上がるように工夫した起き上がり玩具です 倒れても直ぐ起き上がるということから“ 七転八起 ”の喩え言葉とともに縁起ものとされております
ところで【 七転八起 】は ≪ 七回転んで八回立ち上がると言う意味 ≫
何回失敗しても挫けることなく立ち直ってどこまでもやりぬくと言う意味 失敗しても逃げることなくついには成功をおさめるのです
【 七転び八起き 】は ≪ 七度転んで八度起き上がると言う意味 ≫
多くの失敗にもめげずにそのたびに奮起して立ち直ること 人生には浮き沈みが多いことの喩えなのでしょうか
と 違いを述べているのですが 君はわかりますか
そして花の寺とも言われているだるま寺は丁度この時期は芙蓉の花が見頃とのうたい文句でしたが あまりにもささやかでがっかりなのでした
《 芙蓉の花 》は
フヨウ( 芙蓉 Hibiscus mutabilis )アオイ科フヨウ属の落葉低木です
樹は高さ1.5m~3m 寒冷地では冬季に地上の部分は枯れてしまい春には新たな芽を吹きだします
種小名のmutabilisは英語のmutable「 変化しやすい 」の意味です
芙蓉はハスの美称でもあることから特に区別する際には「 木芙蓉(もくふよう) 」とも呼ばれております
7~10月初旬にかけてピンク色や白色の直径10~15cm程度の花をつけます
朝咲いて夕方には萎む1日花で長期間にわたって毎日次々と開花して楽しませてくれます
ところで我が家にも一株ですが芙蓉の樹があって毎年楽しませてくれます
我が家の芙蓉の樹は芙蓉の変種になるのですが スイフヨウ( 酔芙蓉、Hibiscus mutabilis cv. Versicotor )であり 朝に咲き始めた花弁は白いのですが 時間の経過とともに白色はピンク色に さらには濃いピンク色に やがては赤い色へと変色してくる八重咲きの芙蓉なのです
色の変化が恰も酔って赤くなる酔人に喩えたものでしょうか
ウゥ~ム 私はさすがに朝からは飲みませんがねぇ
なお前述したように「 水芙蓉 」はハスを指しているのです
我が家の芙蓉は 花芽が小さく今夏はお休みのようですなぁ
昼食は京懐石をいただきましょう
☆ 美濃吉本店竹茂楼( たけしげろう )
京都市左京区栗田口鳥居町65番地
TEL 075-771-4185
享保元年 三条河原で腰掛茶屋を開いたのが「美濃吉」の始まりと伝えられております
江戸時代後期には京都所司代から「川魚生洲八軒」として許可された現存する最後の一軒
海から遠い京の都では 昔は鴨川 桂川 琵琶湖で獲れる川魚や近郊で造られる野菜が主な食材であった 海の魚は若狭から鯖街道を通って塩を効かせた鯖や甘鯛(ぐじ)が入ってくる程度であったそうな 川魚復興を目指して献立には名物料理として鰻の蒲焼き そして氷魚(鮎の稚魚)が出されました いずれも絶品でした 美食であり養生食なのです
竹茂楼の一階の奥には合掌館 花の間があります 昭和44年に富山県五箇山から移築した築200年の民家です この部屋の外側の柱には風雪を経て味わいの増した縦長の天然木の看板がかかり「う まる どぜう」の文字が彫られてあります 「う」は鰻 「まる」はすっぽん 「どぜう」はどじょうのことなのです 看板の裏側には「川魚 生洲 美濃吉」の手彫りの文字があることを仲居さんが教えてくれました
苔蒸す竹林の庭には小川が流れていて静かな山里を感じさせる景観です
■ 細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
日本の古美術を中心とした京都府の登録美術館
大阪府泉大津市で毛織物で財を成した実業家の細見亮市とその長男細見實そして三代細見良行の三代が収集した東洋古美術品を展示するために開設された美術館です
細見家の収集品は琳派や伊藤若沖らなど江戸時代の絵画や平安時代の仏画をはじめとし仏像 仏具などから古墳出土品に至るまで日本美術の殆どの分野に渡り重要文化財指定物件を多数有しているようです
細見美術館から徒歩で近くの 応天門・大極殿など朱塗りの色鮮やかな平安神宮に参拝
いやぁ~陽射しはまだまだ夏です 残暑が続くので油断してはいけません と自戒
このツアーお決まりのコースの最後“お買いもの”処は 1718年に金屋孫兵衛の屋号で西本願寺前に寺院用扇子の店として開店したと言う白竹堂に立ち寄ります
創業300年の歴史を持つ京扇子の白竹堂本店は街中の喧騒から少し離れた麩屋町の静かな通りにありましたが近くには柊屋や俵屋そして炭屋などがありましたなぁ
夏呆けなのか落としたのか置き忘れたのか続けて今夏2本も扇子を亡くしたので買い求めました 黒染め司紺の柄模様です
今回の“ほんまもん京都”のBUSツアーは 美濃吉本店竹茂楼の京懐石を堪能したことには満足したのですが 観光スポットはやや消化不良でした
それでも京の街を歩いたことは心地よい疲労感でしたでしょう
どんな小さな旅であっても身体のなかに浸透してきたものは それまで写真や資料で知っていたものとはまるで異なったものであることが多いのです
学校で習ったことや図書館で見聞したもの或いはTVやDVDなどで知り得たものはあくまで知識でしかなく真実の周辺を語っているものであり真実とは異なるものなのでしょう
歴史の真実とはそこに足を踏み入れて歴史を感じ取ることができると思われます
それこそが喩え小旅行であっても旅の至福を得るということなのだと思うのです
君は どう思う!
やはり8月京都の夏は暑い!今夏もまた“熱い”夏でした
ところで君の処の芙蓉は咲きましたか
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