風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

ヒルザキツキミソウの思い出

2005年09月13日 | 自然(花 虫 樹etc)
二十年ほど前でしょうか、
その日は小雨が降っていました。
仕事で伺ったお宅の庭にヒルザキツキミソウが群生していました。

あまりの美しさに見とれていたのでしょう…。
帰り際のことでした。
「ちょっと待ってくださいね」
そうおっしゃる奥さんの言葉に、
「え?何でしょうか」と足を止めました。

淡いピンクが優しい花束をさっと作って…。
「良かったら、どうぞ!」と。

私は彼女の粋な心に感動して…
大事に大事に抱えて帰りました。
その時、マンション住まいでしたから、
ことのほか嬉しかったのです。

あの時の彼女の笑顔と庭に咲き誇るヒルザキツキミソウを
今でもはっきりと思い出すことができます。
淡いピンクの花を見るたび、彼女の優しさがはっきり蘇るのです。

夏のなごり

2005年09月13日 | 自然(花 虫 樹etc)
朝晩ともなると、虫たちの音楽会があちこちで開かれています。
鈴虫、コオロギ、さまざまな音を奏でてくれて、
私たち人間の心を和ませてくれます。
楽しいひとときのプレゼントです。

でも、日中はまだ残暑厳しい日が続いています。
ふと空を見上げると、夏雲がまだまだ元気に動いていました。
さまざまな夏の思い出を残しながら、
ちょっぴり寂しげに なごり惜しそうに…。

足元てらす鬼灯

2005年09月13日 | 自然(花 虫 樹etc)
鬼灯、ほおずき。
お盆の前になると、先祖を迎えにお墓に行きます。
その時、懐かしい我が家に無事たどりつけるよう、
足元を照らために鬼灯をお墓にさしてくるのだそうです。

「爺々(ジイージイー)、婆々(バアーバアー)、この明かしに来んされよ~」
と言いながら、藁束に火をつけて先祖が眠るお墓で何周かします。
そして、お盆の最終日の夕方になると、
「ジイージイー、バアーバアー、この明かしに行んされよ~」
そう言って迎える時と同じようにして、先祖が無事あの世に戻れるようにするのです。

昭和の中頃まで、田舎でよく見られた風習ですが、
今でも行われているところがあるのでしょうか…。

鬼灯をお墓にさすのはよく見かけます。
日本人の優しい心が感じられて、無くしたくない風習だと思いました。