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恋すてふ わが名はまだき立ちにけり
人しれずこそ 思ひそめしか (壬生忠見 生没年不詳)
わたくしが恋をしているという噂がすでにたっているのですね。
密かに思いはじめたばかりですのに……。
42
契りきな かたみに袖をしぼりつつ
末の松山 浪こさじとは (清原元輔 九〇八~九九〇)
「末の松山」は海岸近くにあっても、波が越えることはないと言われています。
お互いに涙を流しながら、約束しましたよね。心変わりはないと……。
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逢ひみての のちの心にくらぶれば
昔はものを思はざりけり (権中納言敦忠 九〇六~九四三)
こういうのって、今の時代と変わらないのね。契りを結べば熱が冷める??
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逢うことの 絶えてしなくばなかなかに
人をも身をも 恨みざらまし (清原元輔 九〇八~九九〇)
「恋心」って、時代が変わっても何も変わっていないのね。
それを「歌」にすることで、さらに熱を帯びていくようです。
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あはれともいふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな (謙徳公 九二四~九七二)
私をなぐさめて下さる人いないようです。虚しく死んでしまうのでしょう。
(私的つぶやき・・・・・・恋歌ばかりで疲れました。)