翻訳:エイコ・デューク
トーマス・トランストロンメルは1931年生まれ。スウェーデン詩人。心理学者。ピアニスト。
「悲しみのゴンドラ・1996年」は、12冊目の詩集である。
1990年、重度の脳卒中により、この詩人は右半身の自由と、語る言葉を失ったが、
「詩」は生まれた。それがこの詩集です。2011年10月、「ノーベル文学賞」受賞に決定。
この詩集の中間部に「俳句詩」と冠された短詩が11編掲載されています。
ここを読んでいましたら、我が稚拙なる写真との「勝手にコラボ」をやってみたくなりました。
無断引用と言うなかれ。トーマス・トランストロンメルの俳句詩に我が写真で応える気構えです。
(尊敬をこめて。)スウェーデンは日本より寒い国。この関東平野の写真が応えられるか?
* * *
高圧線の幾すじ
凍れる国に弦を張る
音楽圏の北の涯て

白い陽
孤独なジョギングの行くては
死の青い山

陽はやや低い
われらが影は巨人のもの
瞬時に落ちる闇

そして夜が
流れ入る 東から西へと
月の速さで

つがいの蜻蛉
固く絡んだままの姿
揺らぎ揺らいで飛び去る

(蜻蛉ではなくて蝶ですが、ごめんなさい。)
(2011年11月・思潮社刊)