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夫の護衛をしながら、バスに乗って、駅前のショッピングモールへ行く。
夫の主な目的は、本屋さんと、ランチ。
夫は左半身の軽い麻痺のため、歩くのが遅い。
スマホをしながら、歩いてくる女性は、目前の夫が見えない。
危うく、転倒寸前のところで、セーフ。(歩きスマホは本当にやめて下さい。)
ランチ、本屋さん、薬屋さん、最後にマーケットで夕食の買い物。
帰りのバスにて、素晴らしい老婦人に遭遇。
バスを降りる時に、大きな声で運転手さんに「乗車口を開けて下さい。」とおっしゃる。
その後、ご自分の腰掛付きのショッピングカートを指して「どなたか降ろしてください。」
とおっしゃる。
思わず私は腰を上げました。それより早く駆け寄ってあげたのは老紳士でした。
私は席に戻って、様子をみていましたが、老婦人は尚も声をかけます。今度は私に。
「バスを降りる手助けをお願いします。」と。
私はすぐに立って、降車口を先に降りて、婦人を待ちました。
婦人の小さな手をしっかり握って、どうやらお役にたったようでした。
その先のバス停で降りる時、今度は夫より先に降りて、夫の無事下車を見守る。
そうして老夫婦二人で語り合う。「素晴らしい老婦人だったね。」と……。
老人が世間に遠慮して生きることはないのです。
それにしても、その老婦人に手を差し伸べた二人ともが老人であった。
とりあえず、元気な老人は頑張ろう。
夫も頑張って、玄関までの4段の階段を、私のショッピングカートを運んだわ。