夫の同級生だった友人が病床にいる。奥様は彼より若い。
夫も1人では生きていけない病人である。私と同い年。
その二人が携帯電話で時々話している。
「お互いに妻が元気でよかったな。」
「君の奥さんは年下だってな。」
はいはい。そうですか。
「いつまでもあると思うな親と金。」という言葉がありますが
「いつまでもあると思うな妻の体力。」と言いたい。
あああ。怒る元気もないわ。
妻は大変疲れているのだ。心もからだも。
そして夫たちは、妻に看取られるであろう自画像しか描けない。
貧しい想像力だ。
夫は私より数十倍の読書量であるが、何を学んだのか?
目下の目標は「死ぬまで、どのくらい本が読めるだろうか?」だけ。
疲れて、読書の途中で寝ている妻を想像できまい。
雑事に追われて、集中力も枯渇している。