エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#人を誠実に大切にすること とは #相手の身になること #恋に落ちることではない #自由で独立した人格

2018-05-08 07:36:28 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 
現世考: 自殺にはやる,若い女性たち
    発達トラウマ障害の子どものセラピーは、個人や組織を超えるもの   子どもの日に 子どもにとって「楽しい」時間を是非  子どもの日です。 子どもの......
 

 

 エーリッヒ・フロムの The art of loving 『自分と人を誠実に大切にする生き方』から。

 p.20の,16行目途中から。久しぶりの改訂版です。ここは,出版されている翻訳(p.42, l.3-p.43, l.1が間違っているところです。

 


集中して瞑想する態度は,最高に能動的な働きかけです。集中して瞑想する態度は,スピリットが能動的に働きかけているのですから,心から自由で独立しているからこそ,できるのです。能動的な働きかけに対する1つの考えは,現代的な考えですが,目に見えるいろんな目的を実現するために,物理的エネルギーを用いることです。能動的な働きかけに対するもう1つの考えは,たとえ外側の事情が変わっても,人が心から自由で独立した人格を用いることを言います。この2番目の能動的な働きかけに対する考えは,スピノザが一番ハッキリと言葉にしました。スピノザは能動的に働きかける気持ちと,受け身で突き動かされる気持ちを区別して「アクションズ」と「パッションズ」とに呼びました。能動的に気持ちに働きかけができれば,人は自由ですから,その人は自分の気持ちを自分でコントロールする主人公です。気持ちに突き動かされてしまえば,その人は流されているわけですから,自分でも気が付かない動機に踊らされている訳です。こうしてスピノザは,品性と心から自由で独立した人格は全く同じだ,という意見に至りました。…

 人を誠実に大切にすることは,能動的な働きかけであって,突き動かされた気持ちではありません。つまり,人を誠実に大切にすることは,「相手の身になること」であって,「恋に落ちる」のではありません。

 

 

 

 ニッポンの誤訳文化を象徴する一説です。

 大切なのはいつでも,自由自由な決断です。

 それを可能にするのは自由で独立した人格です。

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#自分が生きている実感 #マインドフルネス #神様

2018-05-07 05:50:00 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)
 
聖書の言葉: こどもの日に,青空の下での,お使い
    子どもの日に : ≪陽気で楽しい≫温もりを   病気だから、人を惹きつける  一見強そうなルターにも、いろんな弱さがありました。 Young......
 

 

 エーリッヒ・フロムの The art of loving 『自分と人を大切にする生き方』から。

 p104の10行目途中から。久しぶりの改訂版です。

 

いくつかの簡単な練習をすると良いでしょう。たとえば、楽な姿勢(前かがみでもなく、堅苦しくもなく)で座る、眼を閉じてみる、眼の前の白い幕を見てみる、邪魔な絵や考えすべてを取り除いて見る、そうしてから、自分の息に従って見る、息に従いながら息を感じることです。さらには、「私が生きている」ことを実感してみる、すなわち、私、自分自身が生きていると実感できることは、自分のいろんな力の中心ですし、自分の世界を創り出す神様です。少なくとも、毎朝20分(可能ならば,もっと長い時間)、毎晩寝る前に,集中訓練をすべきでしょう。

 

 

 これは,マインドフルネスですね。エーリッヒ・フロムは,鈴木大拙の友人でもありますから,禅に対する理解も深かったんでしょう。

 ここでは,ニューヨークのジンドラー・メソッドやシーロット・シルヴァーの仕事を紹介しています。これは,ヴァン・デ・コーク教授が『身体はトラウマを記録する』の本の中で紹介しているマインドフルネスや体感療法に通じています。

 「私が生きている」ことを実感することは,エリクソンの専売特許かと思っていましたら,むしろ,フロムのほうが先に1956年にすでに指摘していたことが分かって,よかったですよ。しかも,この実感が,「自分の世界を作り出す神様」と位置付けている点も,エリクソンと同じです。

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#フロムの実践学 #飛び抜けてスピリットが滲み出る人 #人間らしい心から優しい心の習慣 #でも赤ちゃんも犬も気が付く不思議

2017-12-23 03:11:43 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 
聖書の言葉 : 無宗教でオッケー!?
   苛酷な発達トラウマ   最深欲求に応える生き方の向き  黄金律について、エリクソンはどのようなに結論を言おうとしているのでしょうか? p.233第......
 

 

 

 今宵は,3年ぶりに,The Art of Loving  『相手とも誠実に関わる実践学』から,p.108第2パラグラフ。

 2訂番です。前の翻訳では1か所,誤訳がありました。

 

 

 

 

 

 知識を教えているだけじゃぁ,人間が発達するために肝心要のことを教えることにはなりません。肝心要なのは,人とも自分とも誠実な大人な関係を保てる人が,目の前にいることによってしか,教えることはできません。西洋の文化では前の時代に,あるいは,中国,インドでは,一番尊い人は,飛び抜けてスピリットが滲み出る人でしたでしょ。教員は,第一の情報源ではあっても,唯一の情報源なんかじゃなくて,人間らしい心から優しい心の習慣を伝えることが,教員の務めです。ところが,今の資本主義の社会じゃぁ,…,肝心要のスピリットが輝く人は,見向きもされないでしょ。






 ここも,エリクソンと重なるところでしょ。

 でも,摩訶不思議なことに,赤ちゃんは,人からスピリットが滲み出ていると,すぐに気が付くものです。陽気で楽しい感じが滲み出ているからです。

 この陽気で楽しいスピリットに,黙っていても,犬も気が付きますよ

 

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#創造する者へ #関係に誠実 #心優しい真のお母さん #いつまでも支配していたいお母さん

2017-12-17 04:11:12 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 
聖書の言葉: 神様の居場所
   セラピーが、一番うまくいったとき 岩手山、遠望  やっぱり大事な≪やり取り≫  ≪やり取り≫ほど大事なものはないことが、よく分かります。 p231......
 

 

 今宵は,何年かぶりで,The art of loving  関係に誠実な生き方 から。p.48. 12行目途中から。

 

 

 

 

 

 人を心から大切に思う気持ちの中で,子どもとお母さんは,離れていきます。そのお母さんは,子どもが自分から離れていくことを我慢するだけじゃなくて,子どもが離れていくことを,歓んで手助けしなくてはなりません人を心から大切に思う気持ちが,こんなに難しい課題になるのが,2人が離れ離れになる舞台です。ここでは,「私がないこと」,すなわち,全てを差し上げて,大切な子どもの幸せ以外は何にも望まないが必要です。そして,多くのお母さんが,子どもを心から大切に思えなくなるのも,この舞台です。自己愛的で,支配的で,子どもを独り占めにしたいお母さんは子どもがちっちゃい内は,「優しい」お母さんでいられます。でも,本当に心から優しい女性,貰うよりも与えることを歓べて,自分が,創造された受け身の存在から,創造する能動的な存在復活した女性だけが,子離れの時にも,優しいお母さんでいられるものです。

 

 

 

 

 

 以前読み飛ばしていたところに,気づきが与えられましたから,その部分を正確に訳しなおした次第です。

 やはり,2度生まれである点が,ポイントでしたね。

 謹んで訂正いたします。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 受け取る の条件

2016-11-17 03:13:31 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 

 
社会の仕組みからふるい落とされ続ける ニッポン
   人を大事にすることに社会的な可能性を信頼することこそ、合理的信頼です!!  人とのやり取りや、人を大事にすることを、社会システムに組み込んでいきた......
 

  Chilhood and Socirty p.75から。

 

 

 

 

 

 受け取ることは…、貰った物を受け止めて、受け入れることです。これが、人生で最初に学ぶ対人関係の在り方です。

 

 

 

 

 

 受け取る。見る、と同様、誠に単純。誠に日常的。

 しかし、この、受け取る、にも、途轍もない大事な意味がありますね。

 人はお腹が空いていれば、何でも食べるものだと勘違いしている人がいますね。でも、お腹が空いていても、気に入らない人からもらった食べ物は、人は食べないものですね。特に子どもはそうです。

 受け取ることは、対人関係の良さ、ぬくもりがないと、実現しないものです。

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