現世考: 自殺にはやる,若い女性たち発達トラウマ障害の子どものセラピーは、個人や組織を超えるもの 子どもの日に 子どもにとって「楽しい」時間を是非 子どもの日です。 子どもの......
エーリッヒ・フロムの The art of loving 『自分と人を誠実に大切にする生き方』から。
p.20の,16行目途中から。久しぶりの改訂版です。ここは,出版されている翻訳(p.42, l.3-p.43, l.1)が間違っているところです。
集中して瞑想する態度は,最高に能動的な働きかけです。集中して瞑想する態度は,スピリットが能動的に働きかけているのですから,心から自由で独立しているからこそ,できるのです。能動的な働きかけに対する1つの考えは,現代的な考えですが,目に見えるいろんな目的を実現するために,物理的エネルギーを用いることです。能動的な働きかけに対するもう1つの考えは,たとえ外側の事情が変わっても,人が心から自由で独立した人格を用いることを言います。この2番目の能動的な働きかけに対する考えは,スピノザが一番ハッキリと言葉にしました。スピノザは能動的に働きかける気持ちと,受け身で突き動かされる気持ちを区別して「アクションズ」と「パッションズ」とに呼びました。能動的に気持ちに働きかけができれば,人は自由ですから,その人は自分の気持ちを自分でコントロールする主人公です。気持ちに突き動かされてしまえば,その人は流されているわけですから,自分でも気が付かない動機に踊らされている訳です。こうしてスピノザは,品性と心から自由で独立した人格は全く同じだ,という意見に至りました。…
人を誠実に大切にすることは,能動的な働きかけであって,突き動かされた気持ちではありません。つまり,人を誠実に大切にすることは,「相手の身になること」であって,「恋に落ちる」のではありません。
ニッポンの誤訳文化を象徴する一説です。
大切なのはいつでも,自由。自由な決断です。
それを可能にするのは自由で独立した人格です。