エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の子どものセラピーに必要な慎重さと賢慮

2016-06-12 08:44:19 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
子どものわがままにどう応ずるかで、天地の差が出ます。
   礼拝は民主主義に似ている。 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p46の第3パラグラフから。 ...
 

 発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の子どもは、アメリカでも、ニッポンでも、基本がホッララカシです。日本の多くの親の意図はともかくも、結果は残忍なネグレクトである場合が多いのです。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.130、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私がジャスティンの犬小屋に慎重に歩み寄っている時、看護師たちは変やことが起きりはしないかと監視していました。「何かを放り出し始めますからね」1人が皮肉っぽく言いました。私はスローモーションみたいに、動きました。私はジャスティンにも私を注意して見てほしかったんですね。小児集中治療室[PICU]でのお決まりの忙しさとは対照的に、私がする、ユッタリとした動きが新鮮であれば、ジャスティンは注意を向けるだろう、と思った訳です。私はジャスティンを見たりはしませんでした。アイコンタクトをしてしまうと、ジャスティンが怖れを感じてしまうかもしれない、と知っていたからです。私はジャスティンの犬小屋のまわりを覆っているカーテンを引っ張って、ジャスティンが、私か、ナースステーションしか見えないようにしたんです。そのようにして、ジャスティンが、近くのベッドにいる子ども達に気を散らすことがないようにしたんです。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもに近づき、セラピーをする時には、ブルース・ペリー教授に限らず、これくらいの慎重さ・注意深さ、そして、配慮・賢慮が必要です。

 

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