エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 希望の3つの座標軸、 「基本的信頼」という訳語は誤訳

2017-02-05 02:35:08 | 間奏曲

 

 

 
「魂の純粋さ」としての信頼
   どこにでも不思議に気付く眼がありますようにね。  私どもは、風の中にも永遠を感じることができます。ギリシャ語で風と魂とは同じ言葉、プネウマであるく......
 

 今宵のエリクソンも、Insight and responsibility p.152から。タイトルは、『心の中の子どもを内省していると、目の前の子どもに応答し続けることができますよ』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。

 

 

 

 

 希望が生まれることは、3つの座標軸によつて、定義されることが解かります。 1つ目は、母親の母性と、母親自身の子どもの頃との関係という座標軸、2つ目は母子関係そのものの座標軸、3つ目は、神様を信頼する、ということを子孫にプレゼントする習慣と母子との関係という座標軸です。この3つの座標軸が一緒になれば、希望を強めてくれます

 

 

 

 

 

 ニッポンでは、1つ目と2つ目は言っても、3つ目は言いませんね。自分が損をしても、自分と組織を超える存在、ボンヘッファーの言葉で申し上げれば、≪究極のもの≫を信頼する、ということを、経験的に、人格的に知っている人が極端に少ないからですね。

 ですから、a sense of basic turstを「基本的信頼」などという、安っぽい訳語にしてしまっているのです。神様との根源的関係を考え併せて、「根源的信頼感」とすることが大切です

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 現世考: ワシントンとトランプ | トップ | 聖書の言葉 : 呼ぶ、招く... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿