エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

初期キリスト教徒たちは、困ったちゃん? 改訂版

2015-02-06 11:27:44 | アイデンティティの根源

 

 陽気で楽しい気分は、プエブロの人たちの儀式の専売特許じゃぁない。エリクソンのセラピーの基本でもあります。ついでに申し上げると、私のセラピーの基本中の基本です。

 Young Man Luther 『青年ルター』のp179の第2パラグラフ。

 

 

 

 

 

 初期キリスト教徒たちは、既存の秩序だった社会、すなわち、時空のものごとの横の関係に混乱をもたらしました。歴史を超えて、ヒエラルキーを超えて、あるいは無条件に、初期キリスト教徒たちは、家父長的な律法によって自分を確かにしようとするユダヤ教の道も、世界市民になることで自分を確かにしようとするローマ人の道も、心身を調和させることで自分を確かにしようとするギリシャ人の道も、実態も全くなければ、役立つことも全くないとしたのです。あらゆる人間的な秩序は、この世の秩序であって、予見可能な結末しかもたらさないのでした。

 

 

 

 

 

 初期キリスト教徒たちは、「困った人」たちだと思われたでしょうね。それは秩序をことごとく打つ壊しにするものだと、キリスト教をよく知らないことには、みなされたからです。自分を確かにする道として、ユダヤ教徒たちのように、律法を守るやり方も、ローマ人のように、世界市民になるやり方でも、はたまた、ギリシャ人のように、心身の調和を図るやり方も、実態もなければ、正しい方法でもない、と喝破したからですね。

 では初期キリスト教徒たちは、自分を確か羅する道をどのように考えていたのでしようか?

 

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