エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

社会<組織<自分 or 自分<組織<社会<神 ?

2015-08-16 07:57:24 | エリクソンの発達臨床心理

 

 
目標・指針・目的、そして、ヴィジョン
 見通しがあれば、毎日がキラキラ、ピチピチ!2013-08-15 02:56:06 | エリクソンの発...
 


 内村鑑三の多磨霊園にある墓には、「I for Japan, Japan for the World, The World for Christ, And All for God」(私は日本のために、日本は世界のために、世界はキリストのために、そして、全ては神のために)との墓碑銘があると言います。上の写真がそれです。

 昨日は、丸山眞男教授の著書『日本の思想』から、日本の組織が「タコツボ型」の組織であり、そのタコツボ型の組織の中で、「組織のために」、「会社のために」することが、実は、日本軍やナチスと同様の、ハンナ・アーレントの言葉で言えば「人類に対する犯罪」である、とご指摘しましたね。なぜなら、この「組織のために」、「会社のために」が、個人の無意識の抑圧と集団の無意識の抑圧を繰り返す中で、その抑圧圧力が高まるとともに、抑圧する心構えが狂信化するために、かえって、抑圧しない心構えが出来て、無意識の圧倒的な暴力、個人の運命など簡単に弄ぶほどの暴力を招くからなんですね。

 昨日も触れましたが、この「組織のために」、「会社のために」は結局は、組織や会社のためになることが「自分の得になる」と信じているから、そうしている訳ですね。最近は、そのはずが、過労死や労災やハラスメントにあって、「こんなはずではなかった」という魔坂にぶつかることも少なくないようですが、基本は「自分のため」。つまり、会社が組織が、自分(の利益)という目的のための手段になっている訳ですね。言葉を換えれば、エゴイズム、自己中を実現したいがために、組織や会社を利用するわけですね。ですから、自分が得するためには、会社が、日本や社会に悪影響や放射能をバラまくことがあっても、自分が得する限りでは、その「人類に対する犯罪」も平気でできる。あくまで、「タコツボ型」の組織では、「社会は会社のため、会社は私のため」にあるはずのものだからです。「タコツボ型」の組織のメンバーの思想と行動のあり方が、あくまで内向き、文字通り、“自己中心” にまとまっていることが分かりますね。社会<組織<自分。

 この逆が、まさに、内村鑑三の墓碑銘に記されていることが分かりますね。この「私は日本のために、日本は世界のために、世界はキリストのために、そして、全ては神のために」を数学記号で示せば、「私<日本<世界<キリスト、全て<神」ということになるでしょ。目的は、キリストのため、社会のため。と同時に、キリストや社会のために役立つような自分のためでもある。目的と手段が、常に対話的、相補的でしょ。

 あなたは、どちらを選びたいですか?

 

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