エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#腑に落ちない人生の大元

2020-01-21 07:21:00 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの
 
#トラウマ と  #脳波

 #トラウマ理解大転換 #脳の中身を見る 現世考: 阪神大震災と東日本大震災の間    新たな気付き   幸せは、意外にも身近にある? 改訂版  「三高」でも、......
 

 

「発達トラウマ障害 Enpedia」  をご参照ください。  

 ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』 は,翻訳が終わりましたが,印象的な言葉を適宜拾ってみようと思います。 

 p.115の第2パラグラフから。

 今朝は,p.115の,ブランクの後の5行目から。訳し飛ばしがありましたので,訂正します。

 

 

心響かせることに身を入れる

 

… 

 安心して赤ちゃんがお母さんにくっ付いていられることは,同時に,できたという気持ちを育てますが,「安心して自分のことは自分で出来て清々しい心の場」を創造します。この「安心して自分のことは自分で出来て清々しい心の場」は,生涯を通して,挫けずに生きる秘訣です。安心してくっ付いていられる子ども等は,自分が心地よいと感じるようになります。というのも,安心してお母さんにくっ付いていられる赤ちゃんは,自分(や人)が気分が悪くなるものを見付けて,善くする心の習慣を身に着けているからです。善くする心の習慣って,自分の方から関われば,自分の気持ちや人の反応が変えられると分かっています。安心できるアタッチメントがうまくできた子ども等は,自分で解決できる状況と助けが必要な状況の分別がつくようになります。安心してくっ付いていられる子ども等は,困難に直面しても,自分から困難に向き合っていくことができるようになります。反対に,粗末に育てられた子ども等や,相手にされずに育った子ども等が身に着けることと言ったら,怖がっても,お願いしても,泣いても,親が相手をしてくれない,ということです。何をしたって,何を言ったって,親は打つことを止めてくれませんし,眼も助けもくれません。粗末に育てられたり,親から相手にされずに育った子ども等は,後年試練に出会うと,諦め人生を生きること決まってしまいます。

 

 生きている実感を感じるようになる

 

 ボールビーの同時代の人,小児科で精神分析家のドナルド・ウィニコットこそ,心響かせる関わりを研究する今の研究の父です。ウィニコットの精緻な母子観察は,お母さんが自分の赤ちゃんを抱っこするやり方を観察することから始まりました。ウィニコットが提示したのは,赤ちゃんの身体とお母さんの身体に触れ合うことが,赤ちゃんが生かされている実感を実感する元ですよ,それに伴い,本当の自分と生涯一心同体に成るということの元ですよ,ということです。お母さんが我が子を抱く抱き方が,「その子の身体がその子の魂が生きた場と感じる元」ですよ、ということです。私どもの身体が腑に落ち実感していることが,「生きている実感」の大元です。赤ちゃんが実感している身体の中に腑に落ちた生きている実感を母親が大切にしないで,自分の都合に赤ちゃんを合わせようとし続けますと,その子は「腑に落ちない感じ」がいつまでも残ります

 

 触れ合いが自分の元。

 抱っこが生きている実感の大元

 実感のある抱っこがないと,腑に落ちない人生になります


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