バルメン宣言。そう聞いて、それを知っている日本人は、10人の内1人もいないでしょう。しかし、そのバルメン宣言が、今の日本でも活かすことができる、と、この書を読んで確信しましたね。なぜなら、この書は、宮田光雄先生が、わが安倍晋三政権の、人間らしい暮らしを破壊する、愚かしい数々の政策とその政権のデマゴギーぶりを、見事なほどに明らかにしてくれているからです。
宮田光雄先生は、しかし、80年前に、ナチスドイツが政権を取った1年後、告白教会(これも多くの日本人は知らないでしょう)が出したバルメン宣言が、そのまま日本に当てはめられるものではない、とはっきりとおっしゃいます。それはそうだと思います。しかし、バルメン宣言を起草したカール・バルトが込めた精神は、今の日本においてこそ、活かすべきだとお考えであることは、火を見るよりも明らかでしょう。
その精神とは何か? それは、「世界の人びとのために仕える≪世界市民≫として連帯して生きる勇気と希望」(宮田光雄『バルメン宣言の政治学』新教出版,p47)に生きる、ということです。言葉を替えて申し上げれば、≪生きる意味≫を実感し、それを人間らしい暮らしのできる社会を創り出すために生かしていくのには、市民的連帯に生きる、不断の勇気と希望が必要だ、ということです。
私どもは、この書を繰り返し読みつつ、日々の生活を自省的に繰り返す中から、≪生きる意味≫を深め、市民的連帯を創り出す、不断の勇気と希望に、日々生きたいものです。
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