父親のアポロ神はイオンの母親が誰かを教えてはくれません。しかし、母親のクレウサが教えてくれるみたいです。
d, クレウサのパレーシアステスの役割
クレウサのパレーシアステスの劇中の役割は、イオンの役割と全然違います。なぜなら、女性として、クレウサは、アテネに関する真実について王様に話すために、パレーシアを使うのではなくて、世間に対して「アポロが悪い」と非難するために、パレーシアを使うからです。
なぜって、クレウサが合唱によって、「クスートゥスだけがアポロから子どもを授かった」と言われたときに、クレウサは、「あっー、私だけが息子を探しても見つからないだけじゃなくて、私がアテネに戻った時には、外国人の義理の息子が街にやってきて、それでも将来、クスートゥスの跡を継いで王様になる、と分かるからです。それに、クレウサは二つの理由から、亭主に対してだけではなくて、アポロに対して、頭にきます。なぜって、アポロからレイプされ、自分の息子まで取り上げられた後で、クスートゥスがアポロ神から息子を授けられた時に、自分の問い(自分の倅は生きているのかどうか)にも答えてもらえないと分かると、これはクレウサには我慢ならないことだからです。クレウサの苦しみ、絶望、怒りが、アポロを詰った時に爆発します。つまり、クレウサは本当のことを話そうと決心するのです。真実が明るみに出るのは、アポロ神の不実とウソに対する反感からなのです。
クレウサが大変な思いをしていたのがわかりますね。レイプされた挙句に、息子まで取り上げられ、その後に、取り上げられた息子が生きているのか死んでしまったのかという問いにも答えてもらえない。理不尽にも程があります。それは耐えられなくて当たり前です。まるで、北朝鮮の拉致家族も同様でしょうね。
クレウサは、アポロ神の不実とウソから、真実を話そうとします。
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