エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「こうしたい」という意志が誕生する時

2015-09-26 04:58:40 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 人とのやり取りの中で、自分の気持ちを自由に出せないでいると、ビョーキになるのは、当たり前ですね。でも、この当たり前が「ガマン」という言葉を唱えている内に、忘れやすくなるのも、また、よくあることでしょう。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p77の第5パラグラフから。

 

 

 

 

 

 遊びの時期の前にある舞台は、「肛門」の舞台ですが、ここでは、強迫神経症のいろんな障害に、赤ちゃんの頃の「こだわり・わだかまり」が見つかる葛藤の時期ですね。人間関係を心理的に見る視点から申し上げれば、遊びの時期の前の舞台の葛藤は、autonomy オートノミー、「やり取りの中で、自分の感じを1つの法則として、頼りにして良い感じ」対 shame & doubt シェイム アンド ダウト 「やり取りの中で、自分の感じを出すのは恥ずかしいし、自分の感じが法則として当てにならないのは、自分がいけないのか、人がいけないのか分からない感じ」の危機だと、私どもは見なしています。この葛藤を解決すると、意志の赤ちゃんが生まれます。

 

 

 

 

 

 こういう意味の意志は、とても大事ですね。教育とは、この意志をヴィジョンに結びつけることですからね。

 ですから、関わる大人もこの意志をハッキリ示すことが大事になりますよね。なぜなら、「意志は大事です」「自己決定は大事です」と言いながら、その大人の意志が薄弱で、いつも誰かさんの顔色を窺っているようでは、子どもは「意志を示すことはダメなことで、自分が意思を示せないのは、自分がいけないのか、大人のせいなのか、分からない感じ」を深めてしまいますからね。

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