Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること 意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子どもも、自分の物語を自分の≪声≫で、物語ることが、回復には欠かせません。
最終章の第7章、p.283の、第3パラグラフから。
トラウマを負わされた人は、新鮮な、以前よりも、周りに上手に合わせた人生を物語る旅を始める時、トラウマを負わされたいろんな経験の結果として生じた、計り知れない喪失に向き合わざるを得ませんね。こういったバカデカイ喪失に直面することは、喪の作業になるのが一般的ですが、トラウマを負わされた人はひとりびとりにとっては、耐え難い恐れである方が普通です。クライアントとセラピストとの間に、強力に信頼し合う治療同盟があれば、この強力な治療同盟こそが、トラウマを負わされたことからくる悩みや悲しみに、クライアントが耐えるのに、一番役立つものです。
発達トラウマ障害(DTD)の子どもに一番足りないのが、信頼し合う関係,と,その関係がプレゼントしてくれる根源的信頼感です。
わたくしは,ここを翻訳しておきながら,その重要性になかなか気が付きませんでしたね。いろんなケースを振り返ってみたら,ラニウスさんたちのこの言葉がαληθεια,真実,アレセイア,ホントだなぁ,とつくづく感じましたね。αληθεια,真実は,なかなか気が付かなくて,不意に,向こうからやってくるもの,という意味が中心的な意味でしょう。
発達トラウマ障害(DTD)の子どものセラピーには,普通のセラピーよりも,強力な治療同盟,強力な信頼関係が,必ず必要です。それは,発達トラウマ障害(DTD)の子供たちが,わたくしに教えてくれたことです。
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