今晩は、「遊びの治癒力」を考えたいと思います。好きなんですね、このテーマが。
この遊びのことを考えたり、プレイセラピーをしたり、子どもと一緒に遊ぶ時、いつでも思い出すのが、2年ほど前に、このブログで翻訳したこともある、エリクソンの言葉です。それは次の言葉です。
「もしも、遊びという出来事が、眼には見えない心の傷になった経験に『折り合いをつける』ことになる、と認めるならば、私どもはまた認めることになるのは、陽気で楽しいという要素そのモノのおかげで、その遊びの出来事が、自分を生き返らせてくれる活動にもなる、ということです」(Erikson,E.H., 1977. Toys and reasons. p.42)。
これは、子どもと心理療法をしていたら、日々の実感ですね。
それからう1つは、河合隼雄先生の言葉です。
「自由な遊びのなかに、子どもの創造活動が現われ、それを通じて子どもたちは自ら癒され、自ら育ってゆくのである。
遊びによって子ども時代に養われたイマジネーションのはたらきは、成人してからも創造活動をするときに、そのベースになっている。『お勉強』で固められ、遊びの少ない人間は、成人してから創造的な仕事が達成できないのである」(河合隼雄, 1992. 子どもと学校. p.16)
これもお見事ですね。子どもの創造活動が、自由な遊びに現れる。そうすると、その子の「その子らしさ」、「本当の自分」が次第に、遊びの中に現れてきます。すると、その「その子らしさ」は、遊びの中だけではなくて、家庭や学校での生活の中でも、現れます。一番うまくいったケースの1つでは、学習態度も生活態度も、驚くほど変わって、ある教員が「子どもって、こんなに変わるんですね」と言ったことがあるほど。
人間って、実に素晴らしいでしょ。しかも、何も特別な人だけがそうである訳じゃぁない。「知恵おくれ」などと言われる子どもでも同じなんですからね。それは、自分自身を育てること、自分自身になることが、最も創造的な活動だからですね。
あなたも、今日、子どもと一緒遊びましょうよ。
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