エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

本能の力も弱まる、今の日本

2015-07-01 06:43:20 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
リンゴと自分
   陽気で楽しいことが、ピチピチ、キラキラ生きること  やり取りの中で関わり合...
 

 

 遊ぶ年頃、3才~5才までの子どもの課題として、エリクソンが教えてくれたものは、今の時代にあっても、非常に役立つものでしたね。

The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p52の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 心と対人関係の発達の根源的要素、たとえば、身体の動かし方や感じ方、遊びと礼拝、その子どもの頃の一続きを簡単に描き終わったところで、私は心理的なことを性と結びつける心理・性的理論に、もう一度戻らなくてはなりません。心理・性的な理論は、本能的なエネルギーが、子どもの性が芽生える以前の発達に、特別に役立つことを描き出しているのですね。

 

 

 

 

 本能的な力は、性が眼覚めてからの発達に役立つばかりではなくて、性が芽生える以前の発達にも役立つものでした。それは、性において男女の性的な関係によるのが、性が目覚めた後の発達であるのと同様に、性が目覚める以前の発達は、親と子と言ったような世代間の関係による発達である点が違いであり、それぞれの特色となる訳ですね。ですから、本能と言えば、性を思い浮かべるかもしれませんが、単に性的なものではなくて、世代を繋ぐことも、本能的な働きだと言えるわけですね。

 しかしながら、今の日本のような、親が子どもの目の前から奪われている時代にあっては、その本能的な力も殺がれている、ということができるでしょう。

 

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