エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

脆さが強さになる時

2015-01-29 11:59:19 | アイデンティティの根源

 

 キリスト教の英雄時代は、パウロの時代らしい。

 p178の第3パラグラフ。

 

 

 

 

 

 初期キリスト教のパウロの時代について私どもが知っていることは、壊滅的な嵐の後にしか存在しない、無色透明な雰囲気を彼らは生きたという印象です。この嵐は、もちろん、キリストの受難です。キリストはすべての人のために死んだのでした。キリスト信徒たちにとっては、しばし、戦争と平和、祭りとカーニバル、興奮と懺悔という人間が繰り返すことを特色付ける、破壊と再生のメリーゴーランドはやみます。キリストの伝説が運ぶものは、あの、全うした人生と絶対的な超越です。これは人間の中に存在する最も希少で持っても力強い力です。僅かな、単純な言葉だけが、この世のゴマカシとミセカケを、ますます見透かしたのでしたが、その言葉とは、同時に子どもの言葉ですし、無意識の言葉ですし、あらゆるスピリチュアルな伝統にある、穢れのない真心から出た言葉なんですね。またもや、個人の魂が道徳的に脆いことがは、スピリチュアルな強さのまさにバックボーンとなったのでした。

 

 

 

 

 実に不思議な人生の真実が明らかにされます。人が持つ脆さが、強さになる、と言うのですから。

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