エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

内に感じることこそ、根源。しかも「肯定的」!

2014-06-19 05:24:21 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 今日から第二章弟2節 「親子の≪真の関係≫」に入ります。p36冒頭から。

 

 

 

 

 

 赤ちゃんは、生まれる時に、死の恐怖を感じているかもしれないのは、お母さんからと、子宮の中にいることから、離れることに含まれる不安に気付くことから、赤ちゃんを守れない場合です。生まれた後でさえ、赤ちゃんは生まれる前の自分と何が違うのかほとんど分かりません。赤ちゃんは、ものがそこにある、ということを理解することができません。つまり、自分自身にもまた気づいていませんし、自分以外の外の世界にもまだ気づいていないのです。赤ちゃんが感じるのは、温もりと食べ物と言った、肯定的な刺激だけです。しかも、温もりと食べ物を、その源であるお母さんと区別することが、まだできないのです。お母さん=温もりですし、お母さん=食べ物ですし、さらには、お母さん=満足と安全といった幸せを感じる状態、なんです。これは、フロイトの言い方をすれば、自己愛の状態になります。外側にあってリアルに感じものが、人でもものでも、意味を成すのは、赤ちゃんが自分の体の中の状態が満足したり満足できなかったりすることによるのです。リアルに感じるものはと言えば、内側にあるものに対してだけなんです。つまり、外側にあるものがリアルに感じるは、赤ちゃん自身が必要を感じる時だけでして、外側の性質やらニーズやらは無関係なんです。

 

 

 

 

 

 赤ちゃんは、何にも分からない感じですね。外にあるものは。ですが、自分の内側にあるものは、それを感じることはできるのです。ですから、内側を感じることが最も根源的だ、ということができます。

 上司の顔色が気になる人も、世間の反応に注目する人も、評判が第一という人だって、元をただせば、自分の内側を感じることがはじめ、元型だつた、ということを覚えていおきたいものですね。しかも、フロムによれば、それはすべて「肯定的」だったというじゃないですか。つまり、人間の最初、元型はすべて「肯定的」だなんて、実に恵み深いですね。

 

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