エリクソンは実に不思議なことを、まるで小説を書くかのように伏線として、次々に言ってくれます。
今日は、ロバートが人の人形を並べるシーンとロバートの「物語」です。
ここで、ロバートはいっそう考え込むように手を止めてから、「最初の人型の人形」として「黒人の少年」を選びます。その人形をロバートは建物の一番天辺に載せます。その他の人型の人形がそれに続きます。いと小さき幼子の人形たちが何台かの乗り物の中に寝かされます。それはまるで、ベッドに寝かされているようです。何人かのオエライ男の人形たち(医者、警官、老人)が乗り物の先頭に置かれます。それはまるで昔の夢魔たち、つまり、悪夢のなかの悪魔たちのようですが、顔は上を向いています。その他の人型の人形たちは、動物たちの場面の周りを半円形に囲って立たされています。その人形たちは、両腕を持ち上げて、すこし興奮している感じです。
この少年の「物語」は一番短いもののひとつです。「車がお家にやって来るでしょ。そのライオンがあのヘビを噛んで、ヘビのしっぽはピクピクしてる。そのお猿さんと子猫ちゃんがそのヘビを殺そうとするんだ。みんなが見に来るし、おチビちゃん(黒人の少年)は屋根の上にいるけど、そこは煙が出て来るトコ。」
この部分も挿絵にはありません。
創世記では、「最初の人」アダムは、「白人」のように描かれることが多いですが、ロバートの「創世記」では「最初の人」は「黒人」です。そして、ロバートの「最初の人」がいるのは「天国」ではなく、建物の天辺(top)です。悪魔のようなオエライ人たちは、車の列の先頭(top)にいて、赤ちゃんたちを乗せた車と一緒に、お家にやってきます。
ヘビも出てきましたね。その動物たちがこのヘビを見ていたのでした。その周りには人型の人形が半円形に取り囲んでいるみたいですね。ライオンがヘビに噛み付いていて、動物たちはヘビを殺そうとしているようです。ヘビはなぜ殺されなくてはならないのでしょうか?また黒人の少年は屋根の上にいます。危ない、と怒られそうですね。でも常識を持ち込んではいけないのでしょう。この黒人の少年(の人形)何をするために、屋根に上っているのでしょうか?
エリクソンはこの積み木とおもちゃの舞台をどう見て、どう読むのでしょうか?
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