発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.167,第2パララフから。
診断の妥当性は,机の上の話ではありません。もしも,医者が,患者さんたちを苦しめていることに関して,意見がバラバラだとすれば,その医者は真面な治療ができませんでしょ。診断と治療が無関係の時,間違った診断をされた患者さんたちは,間違った治療を受けるハメになります。腎臓結石なのに,盲腸を切るのは嫌でしょ。相手の行動が,実際の危険から自分を守ろうとすることから生じているのに,その相手のことを「反抗的」とレッテル張りするのは嫌でしょ。
ヴァン・デ・コーク教授がここで指摘している様に,発達トラウマ障害(DTD)の場合,その診断名がDSM-Ⅴにないばっかりに,滅茶苦茶なことになっています。ある病院に行けば,やれ,「ADHDです」と言われ,別の病院に行けば,「起立性障害ですね」,と言われ,また別のところに行けば,「不眠症ですね」,「うつ病ですね」,と言われてしまう…。
学校に行けば,「反抗的」,「困った子」,「勉強ができない」,「やる気がない」…と言われちゃう。
すべて間違いなんですね。正確に,発達トラウマ障害(DTD)と診断することが,正しい治療,正しい教育,正しい関わり方の初めです。「正しい」とは,子どもの利益と福祉に役立つ,という意味で,大人の都合とは無関係です。
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