イオンは、自分の生い立ちも知らず、実の父親であるアポロのほかには、誰も事情を知らない。しかし、その彼が、アテネとデルフォイを繋ぐものでした。
アテネでは、クレウサは自分の子どもにどんなことが起きていたのか、知りません。クレウサは、自分の子どもが生きているのか、死んでいるのかも知りません。その後クレウサはクスートゥスと結婚しますが、彼は外国の人で、彼が外国人であることが、間もなく、土着性が続くことを複雑にします。だからこそ、クレウサがクスートゥスとの間に後継ぎができることがとても大事です。しかし、この結婚ののち、クスートゥスとクレウサは子どもができません。この戯曲の最後で、ドゥールスとアカイオスが生まれると、アポロが二人に約束します。しかし、この戯曲の初めには、二人は子どもがいないままです。二人は死に物狂いで子供を欲しがりますが、それはアテネの王家を続かせるためです。そして、二人はデルフォイにやってきて、アポロに子どもが授かるようにと祈ります。それで、この劇は始まります。
クレウサもクスートゥスも、子どもが授かることを死に物狂いで望みますが、授かりません。アポロに願掛けするために、デルフォイ神殿にお祈りに来ます。しかし、そこに、クレウサの息子がいることを、二人は知りません。
つづきは、また明日。
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