エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「悪い見本市」化した ニッポン

2015-11-21 06:47:02 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
自由からの逃走
  個人は機械の部品よろしく、消耗品になっちゃっている、といいますね。 p79の第3パラグラフ。    ...
 

 

 ≪陽気で楽しいこと≫は子どもにとって、最も大事なこと。

 「正しいことを押し付ける」道徳主義は、この≪陽気で楽しいこと≫を破壊する、最も「ダメよダメダメ」なこと。

 今のたいていの学校が陥っているのか、この「ダメよダメダメ」な「正しいことを押し付ける」道徳主義。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第4章、「自我と人品 : 結びの覚書」p93の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 お示ししてきましたように、思春期は、いろんな空想を整理整頓してくれる、新たな「正しいこと」を含んだ様々なイメージと、新たな世代のエネルギーに、知的にも情緒的にも心開かれる人生の舞台であると見なしています。歴史的な時間に依存しながら、思春期がこういった舞台であることは、既存の秩序に同調したり、抵抗したりしますし、将来の秩序を、より革新的な秩序か、より保守的な秩序であるか、に関わらず、約束しますから、自分を確かにできずに混乱することから、守ってくれることにもなります。

 

 

 

 

 思春期は、エリクソンによれば、「正しいこと」を含んだイメージを頼りに、様々な空想を整理してくれたり、将来どんな社会を作ることが良いのか? ということに対してもヴィジョンを手に入れる時期ですね。

 翻って、いまどきのニッポンを振り返ると、思春期の子どもたちに、このようなヴィジョンと「正しいこと」を示せていないことも分かりますね。示していることと言ったら、「ウソとゴマカシをやっても、自分が得すること」と、「自分が損しないように、物事はハッキリとは言わないこと」、「強い者は、弱い立場の人を、問答模様に、支配しても良い」ということでしょうね。およそ、子どもに見せてはいけないものばかり…

 

 

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