エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

人でなしの人間破壊社会

2016-08-26 06:15:35 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
「エバッタ態度」は子どもにとって、大迷惑!
  エリクソンが言う「大人の役割」とは、子どもに生きる悦びを感化することです。これは、フロムの言う「大人の役割」と完全に一致しています(今の教育は、「全うで、健全で、人間ら......
 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授によれば、対人関係は教えても、対人関係に付き物の、言葉にならない合図、キューがいつになっても解かりません。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.149の9行目途中から。

 

 

 

 

 

どなたかがコナーに「何処に住んでるの?」と訊きますと、コナーは「引っ越しだばっかり」と応えて、その話を切り上げました。コナーの口っぷりと短い答えからすると、「コナーは、話しをしたくなかったんだろうなぁ」と人は思いました。コナーはぶっきらぼうでしたし、奇妙でした。コナーは、いろんなことをもっと話して、人を寛いだ雰囲気にした方が良い、ということが解かりません。会話は人とリズムを取るものなのに、どうやって人に合わせたらいいのか、コナーはまだ解らないんです。

 

 

 

 

 

 対人関係の機微、ニュアンス、雰囲気など、言葉にしにくいところを、コナー君はなかなか分かりません。それは、コナー君がコナー君が赤ちゃんの頃に示した、機微、ニュアンス、雰囲気を理解してもらった体験が極端に少ないからでしょう。

 0歳、1歳、2歳の頃に母親が長時間労働をせざるを得ない、今のニッポン社会が、いかに、人でなしの人間破壊社会なのか、が分かるでしょう。 

 

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